連載
段ボールの設計も3次元化が進んでるんですって!:ママさん設計者の「モノづくり放浪記」(5)(7/9 ページ)
ファブレスメーカーのママさん設計者が、機械系モノづくりの“生”現場を渡り歩き、ありとあらゆる加工の世界を分かりやすく解説していく連載。今回紹介するのは、梱包製品や紙器を製造する中信紙工だ。同社は段ボールを使ったユニークな製品も販売している。
主力製品は、輸送用段ボール箱です
ここまで段ボール造形製品を紹介してきましたが、中信紙工の主力製品は輸送用段ボール箱であり、それによって長年培ってきたノウハウあってこその造形製品の誕生でもあります。
それでは、ここで事業の主体である段ボール箱の製造工程を動画でご覧いただきましょう。
普段、筆者は機械系の加工現場ばかり見ているので、見たことのない設備が並ぶ中信紙工の工場は、いつもの製造現場と世界が違うので面白く感じます。
こちらの機械は社内で通称「プリンタスロッター」と呼んでいる印刷兼切断機です。
以降では、動画では見られなかった細かな部分をご説明しましょう。
印刷の版はこのようなゴム素材のマットを用います。これをドラムに取り付けて印刷します。
こちらがドラムです。
インクタンクは2台あって、1回の工程で2色まで同時に印刷できます。
印刷の次は筋押しと切断。こちらは筋押し刃です。これを入れないと箱はきれいに折り曲げられません。
そしてこれがカッティングの刃です。
筋押し刃もカッティング刃も、その位置は製造する箱のサイズに合わせて移動します。これはほぼ、人の手を入れることなく機械が自動的に作業をしてくれます。
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