第4次産業革命は中小企業が起こす、RRIのアクショングループが始動:製造業IoT(2/2 ページ)
経産省などが主導するロボット革命イニシアティブ協議会の中で、中堅中小企業に対するアクショングループが始動した。規模の問題からIoT活用に二の足を踏む中堅中小企業を支援し、中小企業発の新たな革新創出を目指す。
「スマートものづくり応援ツール」の選定
中小企業が利用しやすいIoTツールについては「中堅・中小製造業向けIoTツール募集イベント」を実施。2016年7月27〜8月26日にかけて募集し、2016年10月4日に106件を選定。「スマートものづくり応援ツール」として認定し、展開を進めていくことを決めた※)。選定には、中小企業のメンバーが実際に加わり、中小企業に必要な「汎用品を使いたい」「とにかく安く」などの要望をかなえるツールが選ばれている。
※)関連記事:中小製造業がIoTをバリバリ使いこなせるツール、106件が選定
IoTの成功事例を広く募集へ
一方で「IoTをどう活用してよいのか分からない」という声に対する取り組みとしては、ドイツやフランスなどが既に取り組んでいる成功事例の「オンラインマッピング」を実施。ドイツとフランスでは、両国で合わせて400社の事例がオンライン地図上で表示され、実際に見ることができるようになっているとしており、同様の取り組みを国内でも開始した。現在はβ版が公開されており、約30社の事例を紹介している。これをさらに強化していく方針である。
具体的には「IoTを活用した先進取り組み事例」の募集を行う。自薦や他薦も含めて全国でIoTを活用して成功している事例を集め、2017年に日本がパートナーカントリーを務めるドイツのIT見本市「CeBIT」で「ユースケースオンラインマッピング」のα版をリリースする予定。また、経産省の冊子「IoT活用100選」(仮称)などのとりまとめなども行う。IoTの成功事例は、一部の企業が試験的に行っている場合がまだまだ多いが、中小企業に最適なIoT事例などを積極的に公開していくことで、IoT活用を促進する考えである。
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