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FPGAソフトコアCPUにおける最適化を検証するMAX 10 FPGAで学ぶFPGA開発入門(14)(7/7 ページ)

MAX10搭載開発ボード「MAX 10 NEEK」でソフトコアCPU「NIOS II」を利用する際、最適化しないことを推奨されるが、設定自体は施せる。では最適化すると速くなるのか?有償版も含めて検証する。

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「NIOS II/f」で発揮される性能

 ただそうなると、有償の「NIOS II/f」ではどの程度の性能が出るのかは当然興味あるところだ。ということでこちらも試してみた。手順は簡単で、再びQsysに戻り、Embedded ProcessorをNios II/eからNios II/fに切り替えて保存し、HDLの生成を行う(Photo10)。

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Photo10:Featuresにもあるように、こちらは乗除算のハードウェアも入るし、キャッシュも追加されるので、Dhrystoneのような古いベンチマークには非常に効果的である

 ついでQuartus IIに戻り、コンパイルしなおしてProgrammerで書き込む。この際には、以前こちらで説明した通りOpenCore Plusを利用するというダイアログが出現し、またProgrammerが書き込みを終わるとダイアログ(Photo11)が出てくるので、これをCancelしないように注意されたい。

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Photo11:USB経由で使っている分には時間無制限で利用できるが、Flash Memoryに書き込んで使おうとすると制限時間(1時間)内しか利用できない。

 あとはEclipseに戻り、NEEK_Dhry_bspのプロジェクトのプロパティで“Nios II” → “Generate BSP”を呼び出してBSPを作り直し、あとはもう一度プロジェクト全体をビルド(NEEK_Dhry_bspだけではなく、NEEK_Dhryも再ビルドが必要)して書き込めば終了である。

 さて結果であるが、やはりOptimize OffとLevel 1で比較してみたところ

  • Off : 33970 ms (29437.7 Dhrystone/sec : 16.75 DMIPS)
  • Level 1 : 18931 ms (52823.4 Dhrystone/sec : 30.06 DMIPS)

 と言うことで、桁違いのスピードを発揮することが分かった。

 Dhrystoneなんぞで測るな、という議論はあるにしても、NIOS II/fにすると10倍近い演算パワーが得られるのはなかなか魅力あるところだ。ただNIOS II/fのStandalone LicenseはAlteraによれば$495(米国販売価格)だそうで、ちょっとホビーユースがメインとなるならば考えてしまうお値段なのが残念ではある。

 ということで都合14回ほど連載させていただいた。冒頭にも書いたが後半はちょっとNIOS IIでばっかり遊んでしまって、あんまりFPGAという感じになってないのは筆者の不徳の致すところである。ただFPGA FabricとCPUを組み合わせて好きに構成できるあたりを楽しんで頂ければ幸いである。

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