AIがコールバック、人工知能活用でコールセンターを低価格に
アドバンスト・メディアらが、音声認識エンジン「AmiVoice」などを活用し、AIでコールセンターの無人化を目指す「AIコンシェルジュ」を提供する。予約の確認といったバックフロー業務も行える。
製品やサービスの問い合わせ先として設置されるコールセンター(コンタクトセンター)は企業にとって重要な顧客サービスながら、有人のオペレーターが必要とされていたことから、品質管理やコスト、多言語対応といった課題の解決が進みにくい分野とされてきた。
これまでは拠点の海外化や音声認識による自動応答などがその解決策とされてきたが、加えてAI技術の導入が徐々に進んでおり、2015年には三井住友銀行やみずほ銀行といった大規模コールセンターを持つ企業がIBMのWatsonを導入している。
ただ、Watsonの導入はあくまでも有人オペレーターの補助と作業効率化に主眼を置いており、問い合わせをしてきた顧客とオペレーターの会話をWatsonが分析し、回答のヒントとなるキーワードをオペレーターの端末にリアルタイムで表示するといったシステムとして運用されている。
アドバンスト・メディアとU-NEXT、U-NEXTマーケティングが2016年9月14日に提供を開始した「AIコンシェルジュ」は音声認識と音声合成、AI技術を利用した対応機能までをあわせて提供することで、あたかも電話の先に有人オペレーターがいるかのような顧客対応の提供を目指す。加えて運営費用は月額50万円からという「戦略的な価格」(同社)で広範囲な普及を狙う。
技術的な核となるのは、アドバンスト・メディアの音声認識エンジン「AmiVoice」と対話エンジン「AOI」であり、これらを利用した音声対話システムは既に「AmiAgent」として同社より提供されている。ただ、コールセンター業務の無人化を行う際には該当業務や製品についての専門知識をデータベースとして取り込む(学習する)必要があり、新たに提供する「AIコンシェルジュ」では、導入する企業の業務に応じたDB構築とカスタマイズをU-NEXTマーケティングが提供する。
問い合わせや申し込みへの対応業務を自動化するだけではなく、基幹システムとの連携も行うことで、受け付けた予約の確認などといったバックフロー業務も行うことが可能となっている。AIで対応できない内容については有人オペレーターへ引き継ぐことで、未解決案件の発生を防止し、また、「対応できなかった内容」を学習することで対応品筆の向上を図る仕組みも取り入れられている。
同社ではAIコンシェルジュの導入先として商品受注や予約受付、入金案内などを想定しているが、将来的には現時点、電話のみととしている対応機器(入力方法)の幅を広げ、スマホアプリやチャットボット、PCのWebブラウザなどからの問い合わせにも対応していく予定としている。
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