ソフトバンクが「LoRaWAN」提供、“IoTの足回り”に本腰を入れる
ソフトバンクがLPWA(Low Power Wide Area)ネットワークの提供を発表、第1弾として、LPWAの1つである「LoRaWAN」を2016年度中に提供開始する。
ソフトバンクは2016年9月12日、低消費電力での長距離通信を可能とするLPWA(Low Power Wide Area)ネットワークの提供を発表した。第1弾として、LPWAの1つである「LoRaWAN」を2016年度中に提供開始する。
IoT(Internet of Thnigs)の実現において横たわる大きな問題の1つが、モノ(Things)にどうやってネットワーク機能を持たせるかだ。固定回線やIEEE 802.11a/b/g、Wi-SUN、3GやLTEなどさまざまな手段が存在しているものの、現在の手段よりもさらに「低消費電力かつ長距離伝送可能」な方法が強く望まれている。
ソフトバンクが2016年度中に提供を開始するLoRaWANは、Wi-SUNやZigbeeなどと同じく免許が不要な920MHzの周波数帯域を利用するサブGHz帯無線技術。類似規格に比べて通信可能距離が長く(最長では5〜15km)、また、消費電力も低いのが特長とされる。その推進と仕様策定はLoRa Allianceにて行われており、LoRa Allianceには現在、391社が加盟している。
通信事業者としての側面を持つソフトバンクでは、LoRaWANの提供に関してはActility S.A.ならびに鴻海精密工業、Semtech Corporationとも協力していく。同社では各種ネットワークとLoRaWANを始めとしたLPWAネットワークを組み合わせ、工場や倉庫などでの遠隔監視や制御、公共インフラの予知保全、流通最適化といった低コスト・低消費電力のネットワーク構築が求められる分野にもIoTを推進していく方針としている。
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