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シマンテックがIoTセキュリティに本腰、車載ネットワークの異常検知を実現:車載セキュリティ(2/2 ページ)
シマンテックは、自動車向けのセキュリティソリューションの新機能「Symantec Anomaly Detection for Automotive」を発表した。車載制御システムをつなぐCANネットワークにおける異常なトラフィックを検知することができる。
競合と比べてIoTセキュリティでの存在感は……
シマンテックは、PCやスマートフォン、ITシステム関連のセキュリティベンダーの大手企業である。ただし、今回発表した自動車向けの車載セキュリティ、工場や発電所などに求められる制御セキュリティといったIoTセキュリティについては、少なくとも国内市場ではあまり存在感がなかった。
車載セキュリティであれば、Robert Bosch(ボッシュ)の孫会社に当たるEscryptなどの専門企業があり、制御セキュリティではIntel Security(国内ではマカフィー)やトレンドマイクロが積極的で、インダストリアルインターネットを推進するGeneral ElectricもIoTセキュリティに向けて2014年5月にWurldTech(ワールドテック)を買収している。
2015年ごろから注目を浴び始めたIoTトレンドに合わせて、シマンテックも急速にIoTセキュリティのソリューションを拡充させている。2015年8月には、先述したSES:CSPを投入して、IoTデバイスそのもののセキュリティに対応するためのアプローチを始めている。今回発表した、Symantec Anomaly Detection for Automotiveは、その名の通り自動車向けだが、「Anomaly Detection」として産業用ネットワークなどへの適用も可能だとしている。
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