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造形とボディーカラーでマツダだと分からせるための工夫車両デザイン(2/3 ページ)

2012年2月にマツダがSUV「CX-5」を発売して4年余り。コンパクトカーの「デミオ」や、「アテンザ」「アクセラ」「CX-3」「ロードスター」、北米向けの「CX-9」や中国向けの「CX-4」に至るまで「魂動デザイン」の展開が進み、統一感を持ったデザインの新世代商品群がそろった。同社デザイン本部の玉谷聡氏に、マツダを象徴する造形とボディーカラーについて聞いた。

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売れなくてもいいから赤をブランドカラーにしたかった

 マツダはボディーカラーも造形の一部と位置付ける。「魂動デザインに取り組んでいる時に、造形の特徴を100%以上に見せることができるボディーカラーを開発しようということになった」(玉谷氏)。

造形の特徴を十二分に見せられる色としてソウルレッドが開発された
造形の特徴を十二分に見せられる色としてソウルレッドが開発された (クリックして拡大)

 そこで開発されたのが、「ソウルレッドプレミアムメタリック」だ。赤色はボディーカラーとしては不人気色といわれる。それでもブランドカラーとして赤色を選んだのは、「情熱的でマツダを表現できるのは赤色しかなかった。5%の人にしか選ばれなくてもいいから作ろう、という思いで取り組んだ。深みと鮮やかさを同時に表現できるボディーカラーが完成したと思っている」(同氏)。

 街中を見ていてもソウルレッドのマツダ車は目立つ。その理由は「言い方は悪いが、血の色に似ているから」(同氏)だ。「視界に入るとドキッとする、シナプスに直結する色だ。しっかりと落ち着いた色なので、アッパークラスでも違和感なく選んでいただける。結果として、全体で30%近いお客さまがソウルレッドを選択している」(同氏)という。

マツダは赤だけじゃない

 「どうしても赤色は……」「ソウルレッドはいいけど他の色はどうなの?」という声に応えるのが、「マシーングレープレミアムメタリック」だ。「ソウルレッドで培った技術で表現の幅を広げようとなった時に、まずはグレーに展開することに決めた。プレミアムメタリックは技術的に難易度が高く、何色も並行して開発することができない。1色ずつ取り組んでいる。ボディーカラーには、コンパクトカー専用、セダン向け、といったセグメントが限られる色がある。しかし、赤色、グレー、白色、黒色はセグメントを超えて展開するボディーカラーなので、質感を高めなければならないと考えている」(同氏)。

マシーングレーも、ソウルレッドと同様に造形の特徴を際立たせる
マシーングレーも、ソウルレッドと同様に造形の特徴を際立たせる (クリックして拡大)

 マシーングレーと従来のメテオグレーとの違いは緻密さだ。パネルを見比べると、メテオグレーはアルミフレークの粒の輝きがちらついてギラギラと見えるが、マシーングレーは滑らかなつやがある。アルミフレークが一定間隔で平滑に並んだ状態を形成しているため、この質感が実現したという。

マシーングレーのアクセラメテオグレーとの違い マシーングレーのアクセラ(左)とメテオグレーとマシーングレーの比較(右)。写真内左側にあるのがメテオグレーで、同右側がマシーングレー。アルミフレークのちらつきの差がある (クリックして拡大)

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