産業用ネットワークで日本規格が協力へ、ORiNとFL-netで連携ツールを開発:産業用ネットワーク(2/2 ページ)
日本電機工業会が推進する産業用オープンネットワーク規格である「FL-net」と、日本ロボット工業会が推進する工場用情報システム用ミドルウェアの「ORiN」が提携し、連携ツールの開発を進める。
「FL-netの役割はまだまだ広がる」
今回の連携について日本電機工業会 技術部 次長の高橋一郎氏は「IoTの進展により産業用ネットワークへの要求が広がりを見せる中、FL-netについても果たせる役割はまだまだあると考えている。工場内では特にPLC間の連携に強みがあり、そうした役割を訴えていく他、今回のORiNとの提携で異種環境などが混在する環境にFL-netを組み合わせやすいようにした」と述べている。
さらに、今後については「現在FL-netの新バージョンを開発しているところで、この新バージョンにより2018年に国際規格化を目指す。次世代イーサネットへの発展を目指し、新たな付加価値を生み出していく」(高橋氏)としている。
ORiNが描く将来像
ORiNにとっても今回の連携は「日本で生まれた規格同士の連携ということで意味がある」(日本ロボット工業会 ORiN協議会 広報委員会 副委員長 米山宗俊氏)と価値を強調している。
ORiNは、1999年度から3カ年のNEDOプロジェクトとして開発され2001年度にORiN ver1.0が制定された。2005年度には早くもver2.0仕様が完成し、デンソーから2006年度には「ORiN2 SDK」を製品化。既に現仕様になってから10年以上が経過し、数多くの導入実績がある点が強みである。また2011年度にはver2.0仕様の一部がISO20242-4としてIS発行され、日本発の国際標準規格となっている。
米山氏は「ORiNはリリース後じわじわと導入を進めてきており、現在でも約1万8000の導入実績がある点が最大の強みである。インダストリー4.0や工場内のIoT活用の話題で盛り上がりを見せる中、異種環境を吸収して『つながる』を実現できる枠組みとして注目度も高まってきており、ここ2年間でORiN協議会の参加企業も倍増している」と手応えを語っている。
現在はORiN ver3.0の開発に取り掛かり始めており「今は新たな仕様に対する意見を集めているところだ。よくORiNはOPCとも比較されるが、基本的には異種環境を並列させられる仕組みであるため、OPCや他の産業用オープンネットワークとも並列で使用できる。新たなバージョンでも異種環境を吸収し、工場や製造現場における価値を最大化できるような機能を盛り込んでいきたい」と米山氏は述べている。
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