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MQTTで始めるIoTデバイスの作り方 第5回:部屋の明るさを「パブリッシュ」するMQTTで始めるIoTデバイスづくり(5)(1/5 ページ)

「MQTTで始めるIoTデバイスの作り方」実践編です。今回は光センサーをArduinoに接続して部屋や屋外の明るさを測定し、その値をMQTTでスマートフォンへ送ります。

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はじめに

 この連載では軽量プロトコルとしてIoT分野で注目を集めているMQTT(Message Queue Telemetry Transport)を取り上げ、「MQTTで始めるIoTデバイスの作り方」を紹介していきます。

 「デバイスの作り方」と冠していますが、電気電子の知識にあまり自信がない、IT系あるいはWeb系のエンジニアでも迷うことなく手を動かせるようにしましたので、恐れることなく、取り組んで頂ければと思います(ただ、Arduinoを使ったLチカ程度の経験やTCP/IPに関する基本的な知識は習得されているものとして進めます)。

 今回は光センサーを使って部屋や屋外の明るさを測定し、その値をMQTTブローカーにパブリッシュ(発行)します。そして、その値をスマートフォンアプリを使ってグラフ表示させてみたいと思います。

フォトセンサーとは

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CdS(硫化カドミウム)を用いたフォトレジスタ(出展:秋月電子通商)

 光の強さを感じるセンサーが「光センサー」ですが、ひとくちに光センサーといっても多くの種類があります。今回用いる「フォトレジスタ」は光が強くなる電気抵抗が低下するで電子部品で、日本語では光依存性抵抗、あるいは光導電体と呼ばれます。

 このフォトレジスタは半導体系の光素子(フォトダイオードやフォトトランジスタ)に比べて反応速度こそ遅いですが、光量変化が抵抗変化として表れるため簡単な回路でセンサー回路を構成できます。

 光を当てると特性が変化するという意味ではフォトレジスタも光素子も同一カテゴリーに属しますが、フォトレジスは光センサー、光素子は光通信用の部品として使われることが多いです。

 次の図が光センサーモジュールの回路図です。Arduino用のセンサーキットとして有名な「Arduino Sensor Kit 37 in 1」に含まれていたもので、内部回路はおおよそ以下のようになっています。もし自作される場合は参考にしてください。

光センサーモジュールの回路図
光センサーモジュールの回路図

 上図左がモジュールのピン配列指示に従って配線した回路です。フォトレジスターは光を受けると抵抗値が下がる素子ですので、左の回路では光をより多く受けるとSignalに出力される電圧が低くなります。明るくなると電圧が低くなるより、明るくなると電圧が高くなるほうが直感的に分かりやすいですよね。そうしたい場合は右図のように配線してください。

 右図では電源を供給する端子のプラスとマイナスを逆にしています。本来こういうことは勧めらないのですが、フォトレジスターは幸いなことに電気的な極性を持っていませんので、プラスとマイナスを入れ替えても問題なく使えます。右の回路では明るくなると、出力される電圧も高くなります。

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