MQTTで始めるIoTデバイスの作り方 第3回:ESP8266でMQTT:MQTTで始めるIoTデバイスづくり(3)(1/4 ページ)
この連載では簡単なIoTデバイスを製作し、「MQTT」を利用してネットサービスに接続できるまでを紹介します。今回はマイコンに接続可能なWi-FiモジュールをMosquittoに接続するまでの下準備です。
はじめに
この連載では、IT系あるいはWeb系のエンジニアが実際に簡単なIoTデバイスを製作し、ネット上のサービスに接続できるまでを目標にしています。デバイス側のマイコンはArduinoを用いますが、「Lチカ」程度は経験があり、TCP/IPについても基本的なところは習得されていることを前提に進めていきます。
前回はスマートフォンとPC間のMQTTのメッセージのやりとりを、パケット解析ツール「wireshark」を使って観測しました。
今回は前回キャプチャーしたデータをもとに、マイコンに接続可能なWi-FiモジュールをMosquittoに接続します。いきなりマイコンで制御するのはハードルが高いのでまずはWi-Fiモジュールにターミナルエミュレーターを接続し、メッセージのやりとりを行います。
目次
- 第3回 ESP8266でMQTT
- 第4回 ArduinoをMQTTブローカーに接続
- 第5回 Arduinoで部屋の明るさをPublish
- 第6回 スマホからLEDをON/OFF
Wi-Fiモジュール「ESP8266」
非力なマイコンをインターネットに接続する手段はいろいろとありますが、ワイヤレスの利便性には代え難いものがあります。ワイヤレスでの接続手段もさまざまありますが、「直接、ルーターに接続できること」「通信コスト」の2つから、Wi-Fi接続としました。このWi-Fi接続のため、「ESP8266」というWi-Fiチップを内蔵した通信モジュール「ESP-WROOM-02」を用います。
このモジュールを用いることで、マイコンをインターネットに接続する最も安いソリューションの1つを実現できます。モジュールは秋月電子通商やスイッチサイエンスなどで500円程度にて販売されており、価格面でも魅力のある製品と言えます。ESP-WROOM-02の詳細については、こちらの連載(「ESP8266」で始めるIoT DIY)を参考にしてください。
電波を出す製品は、電波法で技術適合を受けた製品しか日本国内では使えないことになっています。ESP-WROOM-02は技術適合を受けた製品です。ただこれにはいろいろと条件があって、メーカーは工場出荷時の状態で技術適合を受けるので、その後ユーザー側で何らかの改造を施すと技術適合が無効になる恐れがあります(チップ内のファームウェアの改造も微妙な扱いです)。そこで本連載では、工場出荷時のファームウェアのみを用いることにします。
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