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「SQL Server 2016」で産業用ロボットの故障予兆分析、ISIDがサービス展開へ:製造業IoT(2/2 ページ)
日本マイクロソフトは東京都内でデータベースプラットフォーム「SQL Server 2016」の説明会を開催。同会では、電通国際情報サービス(ISID)から、SQL Server 2016を活用した産業用ロボットの故障予兆分析サービスについて説明があった。
「SQL Server 2016」の新機能を活用
PM4R on SQL Server 2016では、R言語の実行環境となる「SQL Server 2016 R Services」が新機能として提供されている。そこでISIDは、MATLABベースの故障予兆分析アルゴリズムをR言語に変換し、SQL Server 2016上で実行できるようにした。さらに、やはり新機能となる「Datazen」により、管理のためのレポーティング画面とともに、工場などの現場で作業するためのモバイルアプリを用意した。
「PM4R on SQL Server 2016」の管理画面。左から、KPI管理画面、産業用ロボットの状態をまとめて見られる「ダッシュボード」、1台の産業用ロボットの状態を詳しく確認できる「ロボットビュー」になる。KPI管理画面からは10台のロボットのうち、3台に問題があることが分かる。ダッシュボードからは、各ロボットのヘルスバリューを確認できる。ヘルスバリューが大きいと何らかの問題がある。ヘルスバリューが一番大きい9番のロボットをロボットビューで見ると、直近で何かが起こっていることが分かる(クリックで拡大)
荻野氏は「産業用ロボットだけでなく、工作機械や建設機械、鉄道、発電システム、船舶、半導体製造、プロセス系産業、電気自動車のバッテリー管理など、さまざまな分野に展開できると考えている。サービス化することで、大手製造業だけでなく、中小製造業のにも活用していただけるのでは」と述べている。
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