産業用ロボットの動作軌道を自動生成するパスプランニング機能を開発:FAニュース
安川電機は、同社のロボットシミュレーター「MotoSimEG-VRC」上で、ロボットの動作軌道を自動生成するパスプランニング機能を開発した。産業用ロボットに動作を教える「ティーチング」作業の時間を削減できる。
安川電機は2016年6月13日、ロボットの導入を容易にするパスプランニング機能を開発したと発表した。同社のロボットシミュレーター「MotoSimEG-VRC」上で、ロボットの動作軌道を自動生成できる。
今回同社では、MotoSimEG-VRC上で、ロボットの動作開始と終了姿勢、動作生成条件を入力すると、周辺障害物を回避した軌道を自動で生成する機能を開発。これにより、産業用ロボットに動作を教える「ティーチング」の時間を削減し、効率的な生産システムのセットアップや段取り換えが可能になるという。
また、生成された軌道は、同社のロボットプログラミング言語で動作し、高速/高精度なプレイバックを可能としている。障害物を回避するだけでなく、障害物との間に任意の空間を保障しながら、タクトタイムの短い動作を高速に生成するため、シミュレーション環境と実際の環境に誤差があっても、安全にプレイバックできる。
把持した対象物の姿勢を維持したまま軌道生成が可能で、液体を入れた容器の搬送にも対応する。さらに、ティーチングが難しいとされる双腕ロボットでも、左右のアームがぶつからないような軌道を簡単に生成できるという。
同社では、頻繁に実験プロトコル(作業手順)の変更が発生し、その都度ロボットの動作プログラムを変更するケースが多いバイオメディカルロボットシステムや、部品配膳システムへの導入を想定して検証を進めるとしている。
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