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一口に「旋盤」といっても、いろいろあるんです!ママさん設計者の「モノづくり放浪記」(3)(4/7 ページ)

ファブレスメーカーのママさん設計者が、機械系モノづくりの“生”現場を渡り歩き、ありとあらゆる加工の世界を分かりやすく解説していく連載。今回は、旋盤加工工場の安曇野ヤマダテクニカルを訪問する!

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CAD・CAM室

 そしてこちらがCAD・CAM室です。加工用に届いた図面やCADデータはここで展開され、図面とCADデータの整合を取り、加工プログラムを作る作業をしています。これは当連載の第1回、第2回でも触れてきたことですが、図面とCADデータをセットで受け取っても「図面は改訂されているのに、CADデータは旧データのまま」とか、「図面に抜けている寸法をDXFから拾いたいのに、DXFの尺度が図面の尺度と異なっているため、結局メールや電話で確認を取ることもある」だとか、中身の整合が取れていないため仕事が思うように進まないケースはここでもしばしば見受けられるとのこと。多品種の単品加工が多い同社では段取りの効率化は日々の課題ですから、ストレスのない作業をしていただくためにも、設計者そして発注者は、図面とデータが一致していることを確認してから送る癖をつけなくてはいけませんね(あー、またしても耳が痛い)。

 ここで使用頻度の高いソフトはMazakの「CAM WEAR」で、これは先ほどご紹介したNC装置「マザトロール」の言語でプログラムを吐き出すため、各機個別の対話式入力では段取りに手間がかかる部品の加工プログラムを作成しています。出来たプログラムはコンパクトフラッシュに収めて各機に読み込ませます。

 このように、同社の現状では加工プログラムの大半をマザトロールで組んでいますが、相手はコンピュータなので、言われたことを真に受けて言われた通りに動くことしかできません。ですから加工ミスが起きた時、どんなにマザトロールをにらみつけても結局その原因は「ヒューマンエラー」なのです。このリスクは、人間が図面から数値や情報を読み取って入力する限りはどうしてもつきまといます。従って、今後増えていく多品種の複雑形状品をこなしていく上で、そろそろCAMの使い分けが必要になってきたようです。

 そこで2016年に入って、新たにデルキャムの3D CAM「Feature CAM 3D 2016」を導入しました。このCAMの特長をカンタンに言うと、Feature CAM自身が、加工パスを含んだ汎用的な加工形状の情報を持っている事が挙げられます。そのため、取り込んだ3Dモデルの形状(フィーチャー)を自動認識させて、自動的かつ瞬時に加工パスを出せるのです。しかも、2D加工が可能な部分を自動抽出して出力することが可能です。比較的扱いやすい上に切削条件の設定や自動工具選択の機能が充実しているので、複合機での多品種加工にはかなり役立つCAMではないかと思います。

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