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3Dプリンタによる医療機器製造、米国で進む品質管理とサイバーセキュリティ対策海外医療技術トレンド(15)(2/3 ページ)

医療機器にも応用されつつある3Dプリンタ。米国では、3Dプリンタと関わる、クオリティコントロールやサイバーセキュリティ対策に関する仕組みづくりも進んでいる。

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テーラーメイド医療を意識した設計/製造プロセスの要求事項

 機器設計プロセスの要求事項は、必要最小限の機能をあらかじめ備えた標準サイズの機器設計と、個々の患者にマッチしたサイズの機器設計に大別される。草案では、特に後者の設計に際して、医用画像データの影響や、標準設計モデルとの相互作用に留意するよう推奨している。

 次に、ソフトウェアワークフローの要求事項は、ファイルフォーマット変換と、デジタル機器設計から物理的機器への準備に大別される。3Dデータフォーマットの変換に際しては、異なるソフトウェアパッケージや製造業者との間のやりとりでプロセスが複雑化することを想定し、最終機器の出力用ファイルを極力標準化するよう推奨している。草案では、付加製造ファイルフォーマット(AMF:Additive Manufacturing File Format)の標準規格「ISO/ASTM 52915」が挙げられている。

 マテリアルコントロールのプロセスでは、開始時に使用されるマテリアルが重要な物理的/化学的変化を起こし、その影響が最終製品まで及ぶ可能性がある。草案では、開始時のマテリアルに関する情報を文書化するよう推奨しているほか、マテリアルを再利用する場合には、再利用プロセスに関する情報や、再利用しても最終製品に影響がないことを証明するエビデンスを文書化するよう推奨している。

 ポストプロセッシングのプロセスについては、3Dプリンタ出力後に実施する工程を全て文書化し、使用されるマテリアルや最終機器にポストプロセッシングが及ぼす影響を検討するよう求めている。

 さらに、プロセスのバリデーションについては、品質の一貫性を保証するモニタリングおよびコントロールの手法を検証した上で文書化するよう求めている。また、製造プロセスの変更やプロセスの逸脱があった場合は、再検証するよう求めている。

 3Dプリンタの場合、複数の機器/コンポーネントを、異なる場所で同時に製造することが可能だ。また、製造される機器/コンポーネントは、単一の設計図からコピーされる場合もあれば、複数の設計図からコピーされる場合もある。このような背景から、アクセプタンス活動や品質データ管理では、付加製造のライフサイクルを通して、どのように再現性や一貫性を保証するかが課題となってくる。

 他方、機器試験の要求事項に関しては、機器の記述、機械的試験、寸法測定、物質特性解析、洗浄/滅菌、生体適合性、追加表示の7項目を示している。

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