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歩行障害者を対象とした足首アシスト装置:医療機器ニュース
安川電機は、足関節運動機能障害とそれによる歩行障害を持つ人向けに、「足首アシスト装置」を発売した。歩行時の足首の底屈・背屈動作のアシストを行うことで、より自然な歩行ができるよう支援する。
安川電機は2016年6月1日、足関節運動機能障害とそれによる歩行障害を持つ人向けに、「足首アシスト装置」を発売した。
脳卒中の患者には、片まひなどの歩行障害が残ることが少なくない。特に、歩行時の足首の底屈・背屈が十分にできない場合は、転倒の危険性が高くなる。そのため、従来のリハビリテーションでは、安全性を重視し、つま先が引っ掛らない角度に足首を固定した装具を装着し、歩行練習を行っていた。
今回発売した足首アシスト装置は、歩行時の底屈・背屈動作をアシストすることで、より自然な歩行を支援するもの。腹部のコントローラとー足部のモーター付き装具は共に約1kgと軽量で、容易に装着できる。
足圧センサーの情報をもとに、歩行の状態(立脚と遊脚)を判断し、歩行に必要な足首の底屈・背屈の動きをモーターで補助するため、歩行練習を安全かつ長時間、反復して行える。また、対象者の歩行状態に合わせて、足関節の底背屈角度やタイミングなども調整できる。また、コントローラーでモーター制御することで、軽い足の振り出しを可能にした。
同社では、施設を対象とした実証実験モデルとして販売し、今後さらに改良を進めるとしている。
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