ニュース
歩行障害者を対象とした足首アシスト装置:医療機器ニュース
安川電機は、足関節運動機能障害とそれによる歩行障害を持つ人向けに、「足首アシスト装置」を発売した。歩行時の足首の底屈・背屈動作のアシストを行うことで、より自然な歩行ができるよう支援する。
安川電機は2016年6月1日、足関節運動機能障害とそれによる歩行障害を持つ人向けに、「足首アシスト装置」を発売した。
脳卒中の患者には、片まひなどの歩行障害が残ることが少なくない。特に、歩行時の足首の底屈・背屈が十分にできない場合は、転倒の危険性が高くなる。そのため、従来のリハビリテーションでは、安全性を重視し、つま先が引っ掛らない角度に足首を固定した装具を装着し、歩行練習を行っていた。
今回発売した足首アシスト装置は、歩行時の底屈・背屈動作をアシストすることで、より自然な歩行を支援するもの。腹部のコントローラとー足部のモーター付き装具は共に約1kgと軽量で、容易に装着できる。
足圧センサーの情報をもとに、歩行の状態(立脚と遊脚)を判断し、歩行に必要な足首の底屈・背屈の動きをモーターで補助するため、歩行練習を安全かつ長時間、反復して行える。また、対象者の歩行状態に合わせて、足関節の底背屈角度やタイミングなども調整できる。また、コントローラーでモーター制御することで、軽い足の振り出しを可能にした。
同社では、施設を対象とした実証実験モデルとして販売し、今後さらに改良を進めるとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「ロボット大国だとは全く思っていない」〜産業用ロボット世界シェアNo.1の安川電機(前編)
日本は産業用ロボットの出荷台数・稼働台数で世界一を誇る。一番多く作って、一番多く使っているのだ。自動車の大量生産を追い風に、1970年代後半、国内で初めてオール電気式の産業用ロボットを発売し、今なおロボット開発に情熱を注ぎ続ける安川電機に、産業用ロボット市場の動向について伺った。 - 安川電機、“究極の性能”目指したモーションコントロール新製品
安川電機がACサーボドライブ新シリーズ「Σ-7」とマシンコントローラ「MP3300」などモーションコントロール新製品を発表。近年の外部環境の変化に適応させた装置性能と付加価値を用意、いま現在で盛り込める“究極の性能”を目指したという。 - 太陽光発電を改善する、新材料でパワコンの効率98%以上へ
安川電機が、小型かつ高効率なパワーコンディショナー(パワコン)を試作した。シリコン(Si)パワー半導体を用いた従来品に対して、体積を2分の1以下に抑え、実用域での変換効率を98.2%に高めた。このような改善が可能になったのは、窒化ガリウム(GaN)パワー半導体を採用したためだという。 - 「町工場にもロボットが普及していく」〜産業用ロボット世界シェアNo.1の安川電機(後編)
産業用ロボットの雄、安川電機は産業用ロボットを中核としつつ、単能工型から多能工型への転換を図り、サービス業にまでロボットを普及させる。 - ドイツが描く第4次産業革命「インダストリー4.0」とは?【中編】
ドイツ政府が主導するモノづくりの戦略的プロジェクト「インダストリー4.0」について解説する本連載。今回はメインテーマに「インダストリー4.0」を据え、盛り上がりを見せたドイツの産業見本市「ハノーバー・メッセ」の出展の様子について、現地を訪問した筆者が紹介する。