基本システムの二重化で継続運転を可能にした汎用シーケンサ:FAニュース
三菱電機は、汎用シーケンサ「MELSEC iQ-Rシリーズ」の新製品「二重化シーケンサ」を発売した。基本システムを二重化したことで、制御系で異常が発生した場合でも、自動的に待機系に切り替わり、運転を継続できる。
三菱電機は2016年5月31日、汎用シーケンサ(プログラマブルコントローラー)「MELSEC iQ-R」シリーズの新製品として、「二重化シーケンサ」を発売した。プロセスCPUと二重化機能ユニットを組み合わせることで、冗長機能を強化し、継続運転と操作性、メンテナンス性を高めた。
今回発売された新製品は、CPUユニット/電源ユニット/基本ベースユニット/ネットワークユニットから成る基本システムを二重化した。これにより、制御系で故障や電源オフなどの異常が発生した場合でも、自動的に待機系に切り替わり、運転を継続できる。また、トラッキングケーブル/CC-Link IEフィールドネットワークのリモートヘッドユニットとネットワークケーブルを二重化したことで、システムの信頼性を向上させた。
プロセスCPUのプログラム容量は最大1200Kステップで、従来の「MELSEC-Q」シリーズの二重化シーケンサに比べて約5倍に拡大している。同時に、トラッキング容量を約10倍にし、大規模システムの構築にも対応可能にした。系切り替え時の出力保持時間は100ms以下で、高速制御用途にも適用できる。CPUユニット交換時には、既設CPUユニットのプログラム・パラメータを新設CPUユニットに自動コピーできる。
プロセスCPUの価格は、プログラム容量80Kステップが27万円、同160Kステップが50万円、同320Kステップが60万円、同1200Kステップが80万円(いずれも税別)。二重化機能ユニットは15万円(税別)となっている。
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