「エクスペリエンスの時代の成功を支える」、ダッソーCEOが事業展開に手応え:製造ITニュース(2/2 ページ)
Dassault Systemes(ダッソー)社長兼CEOのベルナール・シャーレス氏は「今まさにエクスペリエンスエコノミー(経験経済)の時代がやってきている。われわれが提唱してきた『3Dエクスペリエンス・プラットフォーム(3D Experience Platform)』であれば、エクスペリエンスエコノミーにおける製造業の成功を助けられる」と訴えた。
「ENOVIA」が成功をけん引
シャーレス氏は、3Dエクスペリエンス・プラットフォームを構成する製品群の中でも、PLMシステム「ENOVIA」の販売が好調なことを強調した。「ENOVIAの成功が全体の成長をけん引している。(ENOVIAが)伸びていないなどという話があるが間違いだ」(同氏)。
ENOVIAは、既存のPLMシステムとしての機能に加えて、CRMやコンプライアンス管理といったエンタープライズITに近い機能も利用できるようになっている。こういった機能拡張により受注率は75%に達しており、競合他社からの置き換え需要は40%を占めている。
「IoTは古い。経験のインターネット、IoEが重要だ」
シャーレス氏とともに3Dエクスペリエンス・プラットフォームを構想した、ダッソーのエグゼクティブ・バイス・プレジデント 最高戦略責任者のMonica Menghini(モニカ・メンギニ)氏も会見に登壇した。メンギニ氏は「エクスペリエンスの時代に生きる製造業にとって、最終消費者の人生のインパクトを与えるかが重要だ」と述べる。
またトレンドとなっているIoTについては「センサーや通信を担うIoTはもはや古い考え方だ。これから重視されるのは、IoE(Internet of Experience:経験のインターネット)だ」(メンギニ氏)とした。
そして、エクスペリエンスの時代の製造業に求められる4つの項目を挙げた。ビジスプランそのものとなる「デザイン」、時代の最先端を行く「科学」、生産性の戦いとなる「製造」、CEO自らが推進する「マーケティング」である。
関連記事
- 製造のデジタル化は新たな経済モデルを生む
フランスDassault Systemes(ダッソー)日本法人であるダッソー・システムズは2015年11月6日、都内で会見を開催。ダッソーの社長兼最高経営責任者(CEO)であるベルナール・シャーレス氏が登壇し、デジタル化やIoTの進展など、製造業を取り巻く環境の変化と同社の取り組みについて説明した。 - “技術だけ”で革新を考える日本、幅広い視野に立つ世界
製造業のデジタル化が加速している。さまざまな変化が進む中、モノづくりはどう変化していくだろうか。さまざまなシステムでモノづくりを支えてきたフランスDassault Systemesのエグゼクティブ バイスプレジデントでCSOであるモニカ・メンギニ氏に話を聞いた。 - グローバルオペレーション管理で高評価のデルミア、国内自動車メーカーも採用へ
Dassault Systemesが展開する「3Dエクスペリエンス・プラットフォーム」の中でも、工場における生産革新を担うDELMIA(デルミア)ブランドの製品群が果たす役割は大きい。同ブランドCEOのギヨーム・ヴァンドルー氏に、デルミアの強みや採用事例などについて聞いた。 - “体験”を軸にビジネス基盤の提供を狙うダッソー、競合CADとの連携も可能に
ダッソー・システムズは年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE FORUM JAPAN 2015」を開催。それに先立ちフランス本社の社長兼CEOのベルナール・シャーレス氏が記者会見を行い、製造業を取り巻く環境の変化と同社の取り組みについて説明した。 - “体験経済”時代のプラットフォームを目指すダッソー、カバー領域をさらに拡大
ダッソー・システムズは年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE FORUM JAPAN 2014」を開催。それに先立ちフランス本社の社長兼CEOのベルナール・シャーレス氏が記者会見を行い、製造業を取り巻く環境の変化と同社の取り組みについて説明した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.