大型ハイブリッドトラックの燃費を17%改善、IHIと共同開発の電動過給機で:人とくるまのテクノロジー展2016(2/2 ページ)
UDトラックスは、「人とくるまのテクノロジー展2016」において、IHIと共同開発中の電動スーパーチャージャーを披露した。トラックのハイブリッドシステムに電動スーパーチャージャーを組み合わせると、燃費を最大で17.6%改善できる見通しだ。
8トントラックのエンジンで20トントラックを走らせるには
UDトラックスは、車両総重量ごとに2パターンのハイブリッドシステムを用意し、シミュレーションを用いて比較した。高速道路を使う都市間走行で、積載量限界まで貨物を積む全積を比較条件とし、新規に開発した台上試験機を使用した。
車両総重量20〜25トントラックは通常、排気量10.8l(リットル)のエンジンを搭載する。排気量7lのエンジンは15トントラックに、排気量4.7lのエンジンは8トンのトラックで使われる。エンジンの大幅な小排気量化が燃費改善のテーマの1つとなっている。
- 20トントラック
- 排気量7.0lのエンジンとハイブリッドシステム。過給なし
- 排気量4.7lのエンジンとハイブリッドシステム。出力3kWの電動スーパーチャージャーで過給
- 25トントラック
- 排気量10.8lのエンジンとハイブリッドシステム。過給なし
- 排気量7.7lのエンジンとハイブリッドシステム。出力5kWの電動スーパーチャージャーで過給
この比較の結果、エンジンのダウンサイジングと電動スーパーチャージャーの過給によって、燃費は20トントラックで17.6%、25トントラックで9.9%まで改善できる見通しが立ったという。また、課題となっていた低回転数域のトルクも、過給なしのハイブリッドシステムと同等を達成したとしている。
電動スーパーチャージャーは駆動用モーターと比較して小電力で駆動するため、高速走行時のアシストに必要な消費電力を低減できる。さらに、バッテリーや駆動用モーターの小型化にもつながると見込んでいる。
製品化までの課題としては「電動スーパーチャージャーの耐久性向上とコスト低減をどこまで進められるか。駆動用モーターとバッテリーをさらに小型化しなければ、貨物の積載量も改善できない」(UDトラックスの説明員)といった項目を挙げている。
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