三菱ふそうの次世代トラックがスゴイ、2032年は東京-イスタンブール間が直結:見てくれよこの面構え
三菱ふそうトラック・バスが、20年後の商用車市場を視野に入れた次世代トラックのコンセプトモデルを発表した。2032年の完成を想定する、東京とイスタンブールを結ぶアジアンハイウェイ「AH1」の走行をイメージしたデザインスタディである。
三菱ふそうトラック・バスは2012年4月5日、20年後の商用車市場を視野に入れた次世代トラックのコンセプトモデル「FUSO-ConceptII」を発表した。
FUSO-ConceptIIは、同社の「FUSO」ブランドの発足から100周年に当たる20年後の2032年をイメージしたデザインスタディである。同社によれば、2032年には、交通網の整備が進んでアジア地域と欧州は道路で直結しているという。そして、ITS(高度道路交通システム)の進化によって、隊列走行技術が実用化されており、2次電池や燃料電池の技術も飛躍的に発展していると想定している。FUSO-ConceptIIは、2032年の完成が予想される、東京とイスタンブールを結ぶアジアンハイウェイ「AH1」を走行するトラックとして設計された。
FUSO-ConceptIIの特徴は以下の3つである。1つ目は、空力と積載効率を配慮した外観形状である。前面からのラウンド形状を採用するとともに、グリルシャッターやアクティブリアフラップ、アンダースポイラなどにより、空気抵抗を極限まで減らしている。
運転席(キャビン)は、居住性を高めるため室内の高さを確保するとともに、荷台部分との一体形状とした。フロントガラスやサイドガラスをほぼ一体化することで、グラスコックピット化している。また、「仕舞う」、「たたむ」といった日本人の知恵を生かすことにより、従来の運転席から室内長は変えずに、広く快適な高効率の空間を提供する計画である。
また、FUSOのデザインコンセプトであるVラインを引き続き採用し、風の流れを表現しながらも力強さと精悍(せいかん)さをアピールしている。さらに、10個の車載カメラを使った車両の周囲360度を確認できるサラウンドビューシステムにより、安全性も確保した。
この他、運行に関する事柄を車両が統合的に判断する統合運行管理システムを搭載。グラスコックピット化と合わせることで、ドライバーは、より多くの情報の中から、より少ない動作で欲しい情報だけを得ることが可能となるので、従来よりも運転に必要な労力が減って運転に対する集中を高められるという。
2つ目の特徴は、ディーゼルエンジンと、太陽電池の電力を使った電動システムによるハイブリッド技術の採用である。3つ目は、隊列走行による燃料消費量の少ない効率的な走行だ。隊列走行とは、車車間通信などによって複数のトラックの間で一定の車間距離を保って走行する技術で、商用車の燃費を向上する手法として開発が進められている。
FUSO-ConceptIIの外形寸法は、全長が12000mm+6000mm(アクティブフラップ)、全幅が2500mm、全高が3800mm。トランスミッションは、デュアルクラッチの「DUONIC」である。
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