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船舶の燃費や速度を5%以下の誤差で推定する技術を開発製造IT導入事例

富士通研究所は、船舶が実際に航海したときの運航データを活用して、船舶の燃料消費や速度などの船舶性能を5%以下の誤差で推定する技術を開発した。

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 富士通研究所は2016年5月10日、運航データを活用して船舶の燃料消費や速度などの船舶性能を5%以下の誤差で推定する技術を発表した。

 実際の海域では、船舶の状態と風、波、海流などが複雑に絡み合うが、船舶模型を用いた水槽実験と物理モデルシミュレーションによる従来の推定技術では、その状況を考慮できず、大きな予測誤差が生じていた。

 今回開発された技術は、船舶が実際に運航した時に得られる風や波、海流といった気象・海象のさまざまな実測データや、船舶エンジンのログデータ、さらに船舶の速度や位置など大量のデータを、同研究所独自の高次元統計解析技術を用いて解析・学習し、船舶性能を推定するものだ。解析には富士通のAI技術「Zinrai」が用いられている。

 これまでの、物理現象を一様に単純化したモデルで表現する物理モデルと異なり、同技術ではさまざまな実測データを統合した高次元データについて、気象や海象などの状況が類似するものを自動的にグループ化する。それぞれのグループに応じた学習と推定を行うことで、全データ領域で偏りなく推定誤差を抑えることが可能になった。

 同技術を東京海洋大学のウェザールーティングシミュレーションに組み込み、同技術による船舶性能に基づいて最適な航路を運航した場合、最短航路を航海する場合と比較して、燃料消費量が5%程度削減可能であることが確認された。燃料費とCO2排出量も大幅に削減できるという。

 今後、東京海洋大学との共同研究を通じて、さらに予測精度を改善していく。また、さまざまな船種や航路に適用した実証を行い、位置情報を活用したクラウドサービス「FUJITSU Intelligent Society Solution SPATIOWL」から、2016年度中にサービスを提供開始する予定だ。

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物理モデルと開発した技術

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