モノに触れるだけで情報が得られる「グローブ型ウェアラブルデバイス」――富士通研:ウェアラブルデバイス活用(1/3 ページ)
富士通研究所は、保守・点検作業をタッチとジェスチャーで支援する「グローブ型ウェアラブルデバイス」を開発。NFCタグ検知機能と作業姿勢によらないジェスチャー入力機能により、端末操作をすることなく自然な動作だけで、ICTを活用した作業支援、結果入力などが行える。
富士通研究所は2014年2月18日、富士通本社(東京都港区汐留)で記者説明会を開催。保守・点検作業をタッチとジェスチャーで支援する「グローブ型ウェアラブルデバイス」を開発したと発表した。
今回開発したグローブ型ウェアラブルデバイスは、NFC(Near Field Communication)タグリーダーによるNFCタグ検知機能とジェスチャー入力機能を備えており、作業現場の効率化と作業ミスの低減を実現する。例えば、作業対象にタッチしてその対象に関する作業指示を入手し、簡単なジェスチャーで作業結果を入力するようなソリューションが構築できる。富士通研究所は今後、実証実験などを進めていき、2015年度中の実用化を目指すという。
富士通研究所が開発した「グローブ型ウェアラブルデバイス」。グローブ型とあるが、手の全面を覆うものではなく、手の甲と人差し指の一部を覆うような形状をしている。スペイン・バルセロナで開催される「Mobile World Congress 2014(MWC2014)」での展示が予定されているそうだ
近年、保守・点検などの作業現場では、作業品質の向上や点検ミス・漏れの低減などを目的に、スマート端末を活用した作業支援が活発に行われつつある。しかし、その一方で、スマート端末を操作するために作業が一時的に中断してしまうケースや、手袋の装着/手の汚れなどによりスマート端末を利用するのが難しいケースなどもあり、「端末利用が向かない」「作業効率が上がらない」という課題もあったという。
作業しながらICTを活用できるウェアラブルデバイスの実現へ
こうした声を受け、富士通研究所は、実世界のモノへのタッチとジェスチャーにより、スマート端末を直接操作することなく、“作業しながらICTを活用できる”グローブ型ウェアラブルデバイスを開発。モノに触れるという自然な動作を起点に必要な情報が提示されること。そして、作業結果の入力をジェスチャー操作でその場で簡単に行えることをグローブ型ウェアラブルデバイスで実現する。
「これらの実現により、情報の選択ミスや手間が軽減される他、(保守・点検の)判定結果の記録や工具の持ち替えなどの手間がなくなる」と、富士通研究所 ヒューマンセントリックコンピューティング研究所 ヒューマンインタラクション研究部 主管研究員の村瀬有一氏は説明する。
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