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運転に慣れている人にこそ、意外と役立つ運転支援システムいまさら聞けない 電装部品入門(25)(3/4 ページ)

2009年まで、日本では衝突する前に完全に停止する自動ブレーキが法規制で認められていなかったが、今や部分的ながら自動運転システムも利用されるようになった。後編では、ステレオカメラをはじめとするさまざまなセンサーのおかげで実現した、自動ブレーキ以外の機能について紹介する。

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見ているようで見ていないあなたのために

 暇さえあればスマートフォンを触って……という方もいらっしゃるかと思います。信号待ちで、ついつい携帯を見る、助手席にあるカバンに手を入れて荷物を手探りで探すなど、他のことに集中している間に後方からクラクションを鳴らされ、青信号にようやく気が付いて慌てて発進したという経験をしたことがある方って、意外といらっしゃると思います。

 でも安心してください。先行車発進お知らせシステムは、先行車との距離をカメラやレーダーが認識してくれていますので、距離が離れたのに自車が一向に発進しないと判断できたタイミングで、音で運転手に知らせてくれます。

おせっかい機能にもなりうる先行車発進お知らせシステム
おせっかい機能にもなりうる先行車発進お知らせシステム (クリックして拡大) 出典:ホンダ

 ただし、先行車が発進してから一定の車間距離を開けてから発進する方も多数いらっしゃいますので、「うるさい!おせっかいだ!」と感じてしまう方もいらっしゃるでしょう。このお知らせタイミングはユーザーが調整できるケースが多く、カスタマイズできなくても機能をOFFにすることは一般的に可能です。例外があるかもしれませんが、全車種を調査しておりませんのでご容赦ください。

 ユーザーに喜んでいただくために設定された機能が、まれにおせっかい機能になりうる代表例と言えますね。

 信号待ちで青信号に気付かないのと同様に、見ているつもりでもあまり覚えていないのが道路標識です。特に都心などでは頻繁に速度制限が変わるポイントなどがあり、「あれ?ここって時速何kmまで出せるのかな?」といったシチュエーションや、見落としがちな「止まれ」の標識がある場所に限って警察の方々が常駐していて検挙されてしまったり……。

 歩行者などいろいろと注意を払いながら、視界に入った標識を瞬間的に読み取り、直前までの記憶を更新しなければいけないため、ドライバーが標識を認識するのは思った以上に大変です。

 標識認識機能はまだまだ発展途上なので全ての標識を認識して表示する訳ではありませんが、制限速度や「止まれ」「追い越し禁止」「進入禁止」といった特定の標識のみをカメラで認識し、メーター内に表示してくれる機能が製品化されています。

ドライバーが標識を見落とす可能性は常にある。それを助けるのが標識認識機能だ
ドライバーが標識を見落とす可能性は常にある。それを助けるのが標識認識機能だ (クリックして拡大) 出典:トヨタ

 個人的には「こんな機能いらないだろう」と思っていましたが、特に意識せずに運転していると意外に「あれ?ここって時速50km制限だったんだ……」と本来はダメな発見があり、予想以上に役に立っています。

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