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運転に慣れている人にこそ、意外と役立つ運転支援システムいまさら聞けない 電装部品入門(25)(2/4 ページ)

2009年まで、日本では衝突する前に完全に停止する自動ブレーキが法規制で認められていなかったが、今や部分的ながら自動運転システムも利用されるようになった。後編では、ステレオカメラをはじめとするさまざまなセンサーのおかげで実現した、自動ブレーキ以外の機能について紹介する。

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障害物が見えていると、いろいろ応用できる

 ブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故は今でも頻繁にニュースで見かけますね。「踏み間違えるとか信じられない……」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、私はそうは思いません。

 車庫入れをしようと思っていた所へ後方から車両が近づき、「早くしろよ」という空気をプンプン出されて慌てて後退しようと操作をしたり(クラクションを鳴らされたりすると更にパニック操作になります)、考え事をしていたり、いつもと違った姿勢で操作をしてしまったりすると、意外と踏み間違いというのは起こります。

 誤発進抑制システムは、壁の手前に前進で近づいて停止しようとブレーキを踏んだつもりが、誤ってアクセルペダルを踏み込んでしまったといった「明らかに障害物と衝突する状態」で前進させないことを目的にした制御です。車種によっては後退抑制もあります。

 前方障害物を認識していれば、明らかに出力してはいけない状態でアクセルが入った場合に、コントロールユニットが出力を拒否することで実現できます。もちろん、前方障害物を認識するのはステレオカメラやレーダーです。レーダーの場合は駐車場出入り口にあるゲートなどに反応してしまって発進できない場合もありますが、誤発進抑制システムが苦手とするシチュエーションや機能の解除方法などをしっかりと理解した上で運転しましょう。

車線をはみ出さないということ

 車線維持(レーンキープ)システムが実現できるのは、カメラを搭載している車種のみとなります。これは、カメラによって走行車線を認識し、車線中央を走行するようにステアリングを自動で補正してくれるシステムです。

 自動運転のイメージに限りなく近いシステムだと感じますが、現状では「操舵力のアシスト」という位置付けで搭載されていますので、手放しで運転できるというレベルではありません。

 とはいえ、昨今の技術進歩は目覚ましく、路面状態が比較的良好な高速道路であればほとんど手放しで運転できるレベルにまで達していると感じます。当然、手放し運転はどの自動車メーカーも推奨していません。手放しをせずとも、軽くハンドルに手を触れていれば、ほとんど力を使う事無く車線中央を維持できますので、こちらも驚くほど疲労軽減になります。

 車線維持システムがターゲットとするのは車線中央の維持ですが、中央を狙いすぎると路面の凸凹などで左右に車両がふらついた時に過介入してしまい、ハンドルが常にビクビク動くと言ったビジー感に直結します。頻繁に使用していると「もっと中央を維持するようにならないのか?!」と感じてしまうのも事実です。

 しかし、中央維持を狙いすぎると逆に運転しにくくなる側面も持ち合わせていますので、今の段階では、あくまでも操舵力のアシストというは位置付けであることを理解した上で活用しましょう。

車線逸脱警報はドライバーが車線をはみ出さないよう常に監視する機能だ
車線逸脱警報はドライバーが車線をはみ出さないよう常に監視する機能だ (クリックして拡大) 出典:ホンダ

 また、車線維持システムは、白線がハッキリと認識できていないと車線を見失いやすいインフラ次第の機能でもありますので、車両側だけではどうしようもない領域が存在しているのも事実です。

 車線逸脱警報は車線維持(レーンキープ)システムと非常に近い機能です。車両側が車線を認識できている状態で、操舵や方向指示器など運転手の意思を示す操作が無い状態で車線を逸脱しそうになったとシステム側が判断した場合、運転手に警報を行います。

 警報は音やステアリングの振動などさまざまありますが、脇見や睡魔に襲われてしまった時に車線を逸脱しないように車両側が常に監視してくれているシステムです。ただ、こちらも車線を認識できていることが大前提のシステムとなりますのでご注意ください。

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