チタンの3Dプリントも! DMM.makeで「ミニ四駆ボディー」をとことん仕上げてみた:「ミニ四駆」ボディーを3Dプリンタで作ろう(3)(1/3 ページ)
連載「『ミニ四駆』ボディーを3Dプリンタで作ろう」では、前回シリーズで作成したミニ四駆ボディーの3Dモデルデータを使って、実際に3Dプリントするまでの流れを紹介。第3回では「DMM.make 3Dプリント」を利用した高品質/高精度な造形に挑戦。また、造形後の後加工についても紹介する。
皆さん、こんにちは。志田穣です。
前回お届けした「3Dプリンタによる造形と物理的な仕上げ」では、3Dプリンタによる造形と物理的な仕上げについて解説しました。その中で、フルサイズでの高精度3Dプリントに関しては、DMM.comさんが運営する「DMM.make 3Dプリント」に全面協力いただきました。
今回も引き続きDMM.comさん協力の下、前回紹介した「FDM(熱溶解積層法)」方式での出力よりも、さらに高品質/高精度な3Dプリンタによる造形について詳しく紹介していきます。併せて、DMM.make 3Dプリントが展開するサービス内容についても触れたいと思います。
ケース1:粉末焼結造形方式で出力
まずは、「粉末焼結造形(SLS:Selective Laser Sintering)」方式による造形を見ていきましょう(図1)。
SLSは、滑らかなパウダー(粉末材料)にレーザー光を照射し、粉末材料を焼結させながら硬化していく方法です。造形時間は高さ方向1cmm当たり約1時間が目安となりますが、前回シリーズで作成したミニ四駆ボディーの出力は3時間程度で完了しました。
SLS方式は硬化していないパウダー自身が硬化したモデルの周囲に敷き詰められているため、中空形状などでもサポート材を必要としません。つまり、比較的自由度の高い形状でも、隔絶した中空形状や極端な薄肉(1mm未満)などがない限り、おおむねどのような形状でも造形可能です。
硬化していく層の厚み(=積層ピッチ)は0.15mm程度と非常に細かいため、拡大しても分かる通り(図2)、FDM方式のような積層による段差はほとんど見えません。このような高品質な仕上がりもSLS方式3Dプリンタの特長といえます。SLS方式は自由度と造形品質の高さから、工業製品の試作や部品そのものの造形にも広く用いられています。
なお、DMM.make 3Dプリントでこの大きさの3Dモデルを出力すると、3000〜4000円程度の価格になるそうです。市販のミニ四駆の価格を考えればそれなりの費用ですが、自分だけのオリジナルボディーが手に入ることを考えれば、(特に大人の皆さんは)決して高い値段ではないでしょう。
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