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データムの測定はどうすればいいの?寸法を実感する! 測定講座(3)(3/5 ページ)

幾何公差や寸法測定の課題に対する幾つかの取り組みを紹介していく本連載。第3回はいよいよデータムの測定について解説する。

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姿勢公差とデータム

 さあ、次はいよいよ姿勢公差です。ここからは形体単独ではなく、基準となるデータムと関係します。データムに関しては幾何公差の命ともいえるので、じっくり説明をしたいのですが、詳しくは本サイトの先輩諸氏の連載とも重複し、また世の中には良書が多々あるので参考にしていただきたく、ここでは測定視点にフォーカスして説明をしたいと思います。

 一口にデータムと言っても、製品に関わる立場が違えばデータムに対する視点が異なります。設計のステップによって以下のように分類できると考えます。

  1. 設計者(作図者):作図上のデータム;座標軸、基準データム、ワークプレーンなど。これは、製品全体に共通して、部品をまたがって同じ基準を用いることがある。
  2. 組立作業者:組立上のデータム;部品同士を確実に位置決めするための基準。端面同士を突き当てるよりは、穴とピン、穴と円筒、テーパー合わせ、などが確実である。
  3. 部品加工者:加工上のデータム;選ばれる工法により異なる。まずは原料の端面などが基準となり、精度を確保するために基準を変えていくケースが多い。
  4. 測定者:測定上のデータム;測定装置により異なる。3次元測定機では、基本データムとして3平面データム系がまず必要である。真円度測定機では、基準の中心軸と水平端面が必須である。

 設計者は、1、2、3、4の順でデータムを考え、できるだけ統一したデータム系(複数のデータムの組)にすることを推奨しますが、統合できない場合は別データム系(補助データムとも言う)を用いることも必要です。

 図6はかなりデフォルメした図ですが基本となる3平面データム系(ABC)とはビュー方向の異なる面を補助データム系(DBE)として設定しています。


図6:補助データム系

 これは、位置度(この公差に関しては後日説明をします)を測定するのに、光学的な画像測定の場合は測定面に垂直方向で基準設定をする必要があるので補助データムが必要ですが、3次元測定機の場合は、基本データム系(ABC)を共通で用いても測定が可能なので、どの測定機を用いるかでデータムの設定方法が変わります。また、測定に必要な装置、時間なども変わるので、測定コストにも関わってきます。

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