「産業用ロボットのオムロン」確立へ、卓球ロボットも:ハノーバーメッセ2016(1/2 ページ)
オムロンは、ハノーバーメッセ2016において、買収したオムロンアデプトテクノロジーズ社の産業用ロボットを中心に産業用ロボットによるさまざまなソリューションを提案。国内の展示会でも出展した「卓球ロボ」なども披露し、ロボットメーカーとしてのイメージ作りを行った。
オムロンは、ハノーバーメッセ2016(2016年4月25〜29日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、新たにグローバル展開を発表した、オムロンアデプトテクノロジーズ社(以下、アデプト社)の産業用ロボットを中心に出展。従来の制御技術だけでなく「産業用ロボットのオムロン」としての存在感確立へアピールを行った。
オムロンでは、2015年9月にアデプト社の買収を発表し、オムロンの制御技術と同社の産業ロボットを技術を組み合わせて、付加価値を発揮できるように共同での技術のすり合わせなどを進めてきた。これらのすり合わせの結果、2016年4月1日からアデプト社の産業用ロボットを同社製品として、世界39カ国150拠点で投入することを発表※)。今回のハノーバーメッセはそのお披露目の場として「ロボット」を全面に押し出す展示が目立った。
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グローバル展開するアデプト社の産業用ロボットは、パラレルロボット「Quattro」、スカラロボット「eCobra」、垂直多関節ロボット「Viper」の3カテゴリーがあるが、オムロンでは、それぞれの生産現場での利用用途をイメージする形で、さらに同社のPLC「Sysmac」シリーズによる制御と組み合わせて紹介した。
産業用ロボットメーカーとしてのアピールのために、ハノーバーメッセでは初めて卓球ロボットを出展。同卓球ロボットは日本でのCEATEC JAPANなどに出展したもので、オムロンの制御技術により、人間が打ち返す球を予測し、打ち返しやすいところを分析して、実際にラケットを操り、打ち返すというロボットである。卓球ロボットそのものはCEATEC JAPAN 2015から変わっていない※)が、新たに卓球の球を持ちはこぶのに、アデプト社の自走式ロボットを使っているところが新しいところだ。ただ、基本的にはオムロンは同製品そのものを販売する予定はなく、制御技術およびロボット技術との組み合わせの強みを訴えたといえる。
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