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工場でも必要な、IPアドレスとネットワークデザインの考え方工場用イーサネット入門(3)(1/3 ページ)

インダストリー4.0や工場向けIoTなどに注目が集まっていますが、そもそも工場内のネットワーク環境は、どのように構築すべきなのでしょうか。本連載では、産業用イーサネットの導入に当たり、その基礎から設備設計の留意点などを含めて解説していきます。第3回では、工場用イーサネットでも必要なIPアドレスとMACアドレスのルールについて紹介します。

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第2回:「工場用のイーサネットって何だろう?

 産業用Ethernet(イーサネット)にPLC(Programmable Logic Controller)をつないで通信させるためには、オフィスのLANと同様に、「IP(Internet Protocol)アドレス」や「MAC(Media Access Control)アドレス」が必要になります。そして、このIPアドレスとMACアドレスのルールを適切に理解していないネットワーク構成では、工場を安定して稼働させることはできません。

 今回は、IPアドレスとMACアドレスの概要とそのルールを、また、ネットワークデザインで考慮すべき点について紹介します。

IPアドレスってなに?

 生産現場のPLCや制御ロボットをネットワークにつないで相互に通信させるためには、それぞれの機器にIPアドレスが必要です。なぜなら、IPアドレスとは、ネットワークの世界の「電話番号」にあたる情報だからです。具体的には、データの「送信元」と「宛先」を示しています。

 普段仕事で使っているパソコンやタブレットなども、通信する際にはIPアドレスが必ず付与されています。実際に、IPアドレスを見てみると分かりやすいので、ご自身の身の回りにあるパソコンやタブレット・スマートフォンで確認してみましょう。

 まず、社内のWi-Fiではなく、通信事業者の3Gや4Gのインターネットでつながっているタブレット・スマートフォンで、以下のURLをタップしてみてください。

 http://www.ugtop.com/spill.shtml

 赤く大きな文字で、幾つかの数字が表示されるはずです。この「.」(ドット)で区切られた4組の数字のかたまりがIPアドレスです。もう少し細かく説明すると、これは「グローバルアドレス」という、外部のインターネットに直接接続できる「外線番号」に相当する種類のIPアドレスになります。

 続いて、会社のパソコンのIPアドレスを確認してみましょう。Windowsの場合は、「スタート → 全てのプログラム → アクセサリー → コマンドプロンプト(見慣れない黒い画面が登場しますが安心してください)」で、「ipconfig」と入力してEnterを押すと、同じくドットで区切られた4組の数字のかたまりで表示されたIPアドレスが確認できます。これは、「プライベートアドレス」という、会社のLANに接続できる「内線番号」に相当する種類のIPアドレスになります。

 ここで、「グローバルアドレス:外線番号」「プライベートアドレス:内線番号」と例えたのは理由があります。

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