血管に針を入れる連続血圧計と同じ性能を非観血式で実現、「viewphii」が拡大:MEDTEC Japan 2016開催直前情報
ソシオネクストは、「MEDTEC Japan 2016」において、メディカル/ヘルスケア分野の新ソリューションとなる「モバイル連続血圧計ソリューション」「モバイル心電計ソリューション」を披露する。既存の「モバイル超音波ソリューション」とともに「viewphiiシリーズ」として展開する方針だ。
ソシオネクストは2016年4月5日、医療機器設計/製造の展示会「MEDTEC Japan 2016」(2016年4月20〜22日、東京ビッグサイト)において、メディカル/ヘルスケア分野の新ソリューションとなる「モバイル連続血圧計ソリューション」「モバイル心電計ソリューション」を披露すると発表した。既存の「モバイル超音波ソリューション」とともに「viewphiiシリーズ」として展開する。今後は、医療分野への適用を視野に開発を進め、モバイル機器からの生体測定データを一括してクラウド上で管理する「メディカルIoT統合ソリューション」としての提供を目指す。
同社は2015年、システムLSI事業で培った、ノイズ除去、画像処理、低消費電力化などの要素技術を核に、「小型」「電池駆動」「ケーブルレス」端末による測定、およびタブレットによる画像確認、クラウドでのデータ保存を連携した「モバイル超音波ソリューション」を開発した。手軽に筋肉量や脂肪量を測定し、クラウド上でデータが管理できることもあり「医療従事者から大きな注目を集めた」(同社)という。
このモバイル超音波ソリューションについてハードウェア/ソフトウェアの両面で改良を重ね、適用範囲を医療用途に拡大。小型装置による非侵襲での診断/モニタリング技術を応用し、医療現場での使用を想定して開発したのが、モバイル連続血圧計ソリューションとモバイル心電計ソリューションである。
モバイル連続血圧計ソリューション「viewphii CBP(Continuous Blood Pressure)」を使えば、長時間連続となる血圧測定を血管に針を入れて行う観血式の連続血圧計と同等の性能を非侵襲の非観血式で実現できる。全周圧迫しない指先カフを使用し、指一本での測定が可能だ。
モバイル心電計ソリューション「viewphii ECG(ElectroCardioGram)」は、胴体貼り付けだけの一体型電極による12誘導型心電図計を超小型化したもの。ワイヤレスでの測定データの転送も行える。将来は心機図検査(心電、心音、頸動脈波)への対応も予定している。
MEDTEC Japan 2016
会期 | 2016年4月20日(水)〜22日(金) |
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時間 | 10:00〜17:00 |
会場 | 東京ビッグサイト 東4〜6ホール |
ソシオネクスト ブースNo. | 6700 |
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