5秒ごとに更新されるクラウド型の運行管理が交通事故をなくす:車載情報機器(2/2 ページ)
SAPジャパンは、クラウド型の車両情報分析プラットフォーム「SAP Vehicle Insights(ビークルインサイト)」と自動車関連のクラウドサービスを提供したい企業同士を橋渡しする「SAP Vehicle Network(ビークルネットワーク)」を日本市場向けに提供する。国内のバス事業者とリアルタイムな運行管理システムを使った実証実験も始める。
自動車メーカー1社と数万カ所のガソリンスタンドが連携を取るには
膨大な車両情報を可視化するビークルインサイトと組み合わせが可能なプラットフォーム、ビークルネットワークも2016年夏から提供を始める。ビークルネットワークは、コネクテッドサービスに関わる企業の仲立ちとなるものだ。
既に、フォルクスワーゲン、ロイヤル・ダッチ・シェル、ベリフォン、トヨタIT開発センター、BMWなどとビークルネットワークを使った実証実験がスタートしている。
「実験の具体例としては、最寄りのガソリンスタンドへの道案内から料金の決済まで給油に伴うドライバーの作業を簡易にするサービスや、駐車場の空きを探す負担を軽減する機能がある。こうした機能を実現するために、何万カ所とあるガソリンスタンドや駐車場の情報を自動車メーカーが単独でクラウドサービスに組み込むのは難しい」(松尾氏)。
ビークルネットワークは、現時点で北米と欧州限定ではあるものの、600都市/8500カ所の駐車場や、2万カ所のガソリンスタンドの他、さまざまなクラウドサービス企業が参加している。「クラウドサービスに必要な情報をビークルネットワーク上に集めることで、自動車メーカーやアプリケーションプロバイダーなどがサービスを開発しやすくする狙いがある」(同氏)。
SAPジャパンは、2020年にコネクテッドカーが1億5000万台に達し、関連サービスの市場規模が自動車メーカーの事業規模を凌ぐと見込んでいる。ビークルインサイトとビークルネットワークで、さまざまな企業のクラウドサービス開発を支援していく。
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