「ソウルレッド」の匠塗が「マシーングレー」に進化、極薄反射層で金属質感:車両デザイン
マツダは、電動ハードトップ採用の「マツダ MX-5 RF」のボディカラーとして新開発の「マシーングレー」を採用した。「ソウルレッド」に続き、同社の魂動デザインを象徴する特別塗装色として導入する。新型「CX-9」から採用を始めた後幅広い車種に展開する方針。
マツダは2016年3月23日、「ニューヨークモーターショー2016」(一般公開日:3月25日〜4月3日)に出展する電動ハードトップ採用の「マツダ MX-5 RF(日本名:ロードスター RF)」のボディカラーとして、新開発の「マシーングレー」を採用したと発表した。「ソウルレッド」に続き、同社のデザインテーマ「魂動(こどう)-Soul of Motion」を象徴する特別塗装色として導入する。2016年春に北米市場で発売する新型「CX-9」から採用を始めた後、幅広い車種に展開する方針だ。
同社は「カラーも造形の一部」という思想の下、魂動デザインのダイナミックかつ繊細な面構成を際立たせるカラーの開発に力を入れている。その代表となっているのが、魂動デザインを採用する新世代商品群のイメージカラーとして広く採用されているソウルレッドだ。
ソウルレッドに次ぐ特別塗装色となったマシーングレーは「機械の持つ精緻な美しさの追求」をテーマに、力強い陰影のコントラストと表面の緻密さを高次元で両立することを目指し、ソウルレッド用に開発した塗装技術「匠塗 TAKUMINURI」を進化させた。その結果「あたかも鉄のインゴットから削り出したかのようなリアルな金属質感を実現した」(同社)という。
匠塗の進化ポイントは、ソウルレッド以上に陰影のコントラストを高めるため導入した極薄反射層にある。ソウルレッドの場合、ボディ表面から、メタリックカラーを表現する反射層、半透明のソリッドカラーを表現する透過層、クリア層の3層構造で構成されている。これに対してマシーングレーは、ボディ表面からカラー層、反射層、クリア層の順に積層されており、反射層がボディ表面の上ではなく、カラー層の上に積層されている。
この反射層は、極薄の高輝度アルミフレークを含んだ塗料を、均一な厚みになるように精密に塗装した後、乾燥過程で劇的に体積を収縮させる手法を採用して実現した。厚みは、一般的な反射層の約4分の1となる約2.5μmと極めて薄い。極薄反射層ながらも、高輝度アルミフレークの並び方は、ソウルレッドの反射層と同様に、一定間隔で平滑に並んだ状態を形成している。この反射層によって「緻密でありながら、光の当たる面全体が強く輝くリアルな金属質感を実現できた」(同社)という。
さらに、反射層とカラー層の両方で発色の良い黒色顔料を採用した。高輝度アルミフレークのすき間から透過するこの黒色により、光の当たらない部分に鉄独特の力強い黒みを持たせられる。
光が当たる部分は極薄反射層により面全体が強く輝くリアルな金属質感を、光の当たらない部分は鉄独特の力強い黒みを持たせることで、目的とするソウルレッド以上の陰影のコントラストを実現できた。
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