トヨタが木製のクルマ「刹那」を提案、日本の伝統建築技法で製造:車両デザイン
トヨタ自動車は、家具やファッションブランドが参加するデザイン展示会「ミラノデザインウィーク2016」において、世代を超えて家族で使い続けることを狙いとした木製のコンセプトカー「SETSUNA」を出展すると発表した。
トヨタ自動車は2016年3月4日、家具やファッションブランドが参加するデザイン展示会「ミラノデザインウィーク2016」(2016年4月12〜17日開催)において、世代を超えて家族で使い続けることを狙いとした木製のコンセプトカー「SETSUNA」を出展すると発表した。
モデル名は「刹那」を指し、一瞬一瞬の短い時間の繰り返しのなかで、かけがえのないクルマとなってほしいという思いを込めて名付けた。愛着を持って手をかけ、受け継いでいくというコンセプトを具現化するため、外板やフレームに木材を採用した。
木製の製品は、温度や湿度、使われ方によって風合いが変わることで味わいが深みが増していく。また、手入れによって世代を超えて使い続けることもできる。こうした木材の特徴を生かし、これまでのクルマに存在しない新しい価値観を持たせることを狙った。
部位によって木材を選定し、外板には杉、フレームには樺(かば)を使用している。1つ1つの木材パーツの大小や配列にもこだわったという。外板は住友林業と共同開発した。木材の組み付けにはくぎやネジを使用せず、梁(はり)や鴨居(かもい)を接合する際の日本の伝統的な建築技法「送り蟻」などを取り入れた。
SETSUNAは乗車定員2人。車両の外形寸法は全長3030mm×全幅1480mm×全高970mmで、ホイールベースは1700mm。モーターで駆動する。
室内でも何世代かにわたって使うための工夫を施した。「世代を超えて時を刻む『100年メーター』や機能美と気の優しい色合いが融合したシートなど、歳月を経て輝きを増すさまざまな表情を想像してもらう狙いがある」(SETSUNA開発責任者の辻賢治氏)。
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