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トヨタとヤンマーの新型船開発は異例の短期計画、「挑戦的でやりがいあった」メカ設計ニュース(1/2 ページ)

トヨタ自動車とヤンマーは、「ジャパンインターナショナルボートショー2016」で、2016年3月1日に両社が発表したマリン事業の提携について説明。共同開発した船体(ハル)を用いた小型艇を同年10月に商品化するが、「造船業界にとっては異例の短期開発計画だった」(ヤンマー専務取締役の苅田広氏)という。

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 トヨタ自動車とヤンマーは2016年3月3日、「ジャパンインターナショナルボートショー2016」(2016年3月3〜6日、パシフィコ横浜)でプレスブリーフィングを開催。トヨタ自動車 専務役員の友山茂樹氏とヤンマー専務取締役の苅田広氏が登壇し、同年3月1日に両社が発表したマリン事業の提携(関連記事:トヨタは船舶の船体も“ハイブリッド”、FRP比で剛性は7倍に)について説明した。

トヨタ自動車の友山茂樹氏(左)とヤンマーの苅田広氏(右)
トヨタ自動車の友山茂樹氏(左)とヤンマーの苅田広氏(右)

 トヨタ自動車は、アルミニウムハル(船体)と自動車用エンジンを組み合わせたプレジャーボートを販売しており、操作性や静粛性の面で高い評価を得ている。しかしこのアルミニウム製ハルは高い加工技術が必要で生産量に限界があるなど課題があった。そこで2014年から、アルミニウムハルと同等以上の剛性を有し生産性も高い、FRP(繊維強化樹脂)、炭素繊維、アルミニウムの複合素材による次世代ハルの開発を進めてきた。

 その過程で、ヤンマーの持つ高度なFRP技術に着目し、2015年からその生産技術開発を進めた結果、高剛性のみならずアルミニウムより軽量で複雑な形状にも対応できる「トヨタハイブリッドハル」の開発にめどを付けることができた。

 友山氏は、「既にトヨタハイブリッドハルを使った試験艇『TOYOTA-28 CONCEPT』を製作し、従来の同型艇をしのぐ走破性、旋回性を確認している。このTOYOTA-28 CONCEPTを2016年10月に商品化するべく準備を進めているが、ハルとともに舟艇の生産をヤンマーに委託することになった。今回の提携をきっかけにヤンマーとの提携を拡大していきたい。マリン業界の大先輩であるヤンマーと一緒になれて光栄だ。両社の取り組みでマリン業界の発展や、日本のマリンレジャーの活性化につなげたい」と語る。

トヨタ自動車が展示した「TOYOTA-28 CONCEPT」の船体トヨタ自動車が展示した「TOYOTA-28 CONCEPT」の船室 トヨタ自動車が展示した「TOYOTA-28 CONCEPT」の船体(左)と船室(右)(クリックで拡大)

 苅田氏は、「今回の協業は、昨年(2015年)のジャパンインターナショナルボートショーで、両社のマリン事業関係者が将来の夢を語り合ったことがスタート。その後2015年4月に開発委託契約を締結し本格的に協業が始まった。この契約の内容は『1年以内で新しいコンセプトの船を完成させる』というもので、造船業界にとっては異例の短期開発計画だった。トヨタから提案のあった新コンセプト艇の斬新な内容は、ヤンマーにとって非常に高いハードルだったが、挑戦的でやりがいのあるものだった」と述べる。

 トヨタ自動車とヤンマーは、エンジン開発などで、マリン事業では部分的に協業関係にあった。今回は、新たなハルの技術開発、舟艇の生産委託まで協業が拡大した格好になる。

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