ニュース
客船建造大手が造船向けソリューションを採用:製造IT導入事例
ダッソー・システムズは、同社の造船向けソリューションを、客船建造大手の独マイヤー・ヴェルフトが採用したと発表した。複雑で多様な客船の建造から廃船までの全ライフサイクルを管理でき、厳しい技術要求や安全規制にも対応可能になる。
ダッソー・システムズは2016年2月15日、同社の造船向けソリューション「オン・タイム・トゥー・シー」「デザイン・フォー・シー」を、客船建造大手の独マイヤー・ヴェルフトが採用したと発表した。
今回の導入は、主にパーペンブルクに新設されるマイヤー・ヴェルフトの技術開発センター向けとなる。さらに、ドイツのロストックやフィンランドにマイヤー・ヴェルフトが所有する、船舶の建造拠点も支援する。
客船建造の特徴はその複雑さにある。自動車1台の部品点数が約1万点、大型旅客機では約100万点であるのに対し、客船1隻に必要となる個別部品やアセンブリの数は1000万点以上だという。
客船建造においては、この複雑性、多様性、大規模データに対応できるソリューションが必要となる。ダッソーの造船向けソリューションの導入により、マイヤー・ヴェルフトは船舶の建造やオペレーション、また数十年後の廃船に至るまでの全ライフサイクルを管理することが可能になる。
また、船殻の形状や流体力学、燃費、また船内の快適性などに対する顧客からの技術要求に応えつつ、厳格な安全規制にも準拠する高い品質基準を確保できるようになるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 3DとWebで知財を共有するPLMツール―ENOVIA V6
製造業を取り巻く厳しい経営環境の中で、高い次元のQCDを達成するにはITツールによる業務支援が不可欠である。本連載はPLM、ERP、SCMなど製造業向けの代表的な業務支援ソフトウェアの特徴をレポートしていく。 - “技術だけ”で革新を考える日本、幅広い視野に立つ世界
製造業のデジタル化が加速している。さまざまな変化が進む中、モノづくりはどう変化していくだろうか。さまざまなシステムでモノづくりを支えてきたフランスDassault Systemesのエグゼクティブ バイスプレジデントでCSOであるモニカ・メンギニ氏に話を聞いた。 - CAEエキスパートが見て・感じた! CAEの最新技術動向&ユーザー事例
2015年5月に独ベルリンで仏ダッソー・システムズによる「Simulia Community Conference 2015」が開催された。機械メーカーのCAEエキスパートである筆者が、イベント内の講演やユーザー事例について、自身の経験談や業界事情も交えて紹介する。 - デザインの意思決定が迅速化される「SOLIDWORKS INDUSTRIAL DESIGN」
米ソリッドワークスは、年次プライベートイベント「SOLIDWORKS World 2015」を米国アリゾナ州フェニックスで開催。最初の基調講演ではSOLIDWORKSブランドの新・旧CEOが登壇し、2014年の振り返りと仏ダッソー・システムズの「3DEXPERIENCE platform」に対応する新たなアプリケーション「SOLIDWORKS INDUSTRIAL DESIGN」の詳細が明らかにされた。 - モノづくりIT化の基礎情報ガイダンス
そろそろモノづくりの仕組みをIT化しないとマズイ! そんな危機感はありつつも、どこからどう手を付けたらいいのか、自社の戦略とマッチした製品は何か、などなど、謎だらけだ。セールストークにだまされた気分にならないためにも、事前にしっかり準備しておこう。