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市場変化に「自動化と開発力」で挑む、変革を進めるパナソニック内装事業モノづくり最前線レポート(4/5 ページ)

パナソニックは2016年2月25日に会見を開き、内装建材事業の今後の事業方針について説明した。同社は今後需要の増大が見込まれる中古住宅向けなどのリフォーム用建材事業を拡大に向け、製品ラインアップの拡充と3年間で約30億円の設備投資を行い、2018年度までに2015年度比2割増となる売上高1000億円を目指す。

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QRコードで生産の自動化を推進

 パナソニック エコソリューションズ 内装建材では、リフォムズを始めとするリフォーム向け内装建材製品のラインアップ拡充に向け、約30億円を投じて生産体制の増強も図る。とはいえそもそも内装建材は製品の種類、デザイン、サイズが複数存在し、同社ではこれまでも1mm単位で個別の特注品にも対応している。そこで同社では以前からこうした多品種少量生産に対応できる生産体制作りを進めてきた。


内装ドアの品種。種類、サイズなどを組み合わせると多岐にわたる(クリックで拡大)出典:パナソニック

 今回の記者発表と同時に見学会を開催した真岡工場(栃木県真岡市)では、2014〜2015年度までに約7億円を投じて受注、製造、生産までの各工程をITシステムでつなぎ、同工場の主な生産品である内装ドアであれば、特注品でもリードタイム5日で生産できる体制を整えている。


真岡工場における受注から出荷までの流れ(クリックで拡大)出典:パナソニック

 工場内では異なる種類、サイズの製品を効率良く生産するための仕組みとして、QRコードを活用。それぞれの工程でQRコードを利用して生産指示情報を製造設備に送り、この情報を基にその製品に合わせて加工サイズなどが自動で切り替わる仕組みとなっている。こうした取り組みで、真岡工場の2015年度のフラットドアの生産性は、2013年度比で既に1.6倍にまで向上しているという。


内装ドアの製造工程(クリックで拡大)。出典:パナソニック

リフォーム需要に対応すべく、さらなる効率向上

 このように真岡工場などではこうした生産工程の自動化による効率アップに取り組んできたが、先述したように同社では今後リフォーム用建材の製品ラインアップ拡充を進める方針だ。そしてリフォムスを例に見ても、即納で提供する標準製品が従来より3倍に増えており、さらに特注品であっても同一価格で販売を行う。

 つまり生産側はこうしたラインアップ拡充に伴って、今後さらに多品種少量かつ高速生産への対応が求められる。2018年度までに設備投資に投じる30億円は、こうした状況に対応していくためのものだ。

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