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市場変化に「自動化と開発力」で挑む、変革を進めるパナソニック内装事業モノづくり最前線レポート(3/5 ページ)

パナソニックは2016年2月25日に会見を開き、内装建材事業の今後の事業方針について説明した。同社は今後需要の増大が見込まれる中古住宅向けなどのリフォーム用建材事業を拡大に向け、製品ラインアップの拡充と3年間で約30億円の設備投資を行い、2018年度までに2015年度比2割増となる売上高1000億円を目指す。

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施工現場でサイズを調整可能にする新仕様

 リフォムスの2つ目の特徴が、施工期間の短縮に貢献する“現場カット可能”という商品仕様だ。例えば工務店が内装ドアを発注したものの、実際に取り付ける際にわずかにサイズが合わなかった、施工内容に変更を加えることになった、といった不測のトラブルが発生する場合もある。この場合工務店は施工場所を計測し直し、再び内装ドアを発注することになる。つまり工期が延びてしまう。

 そこでリフォムスでは、施工現場で下端をカットできる仕様にしている。開き戸タイプであれば下から100mm、収納建具や収納開き扉は30mmまでカットできる。

現場で下端をカットできる仕様に(クリックで拡大)出典:パナソニック

標準品でも特注品でも価格は一緒

 同社では新築戸建向けのインテリア建材「ベリティス」を2014年4月に発売。上質な木の素材感を特徴とした製品で、発売以降同社の主力製品だという。このベリティスシリーズの内装ドアでは、業界標準に合わせて高さ2035mmの製品を標準製品としており、即納体制を整えている。特注品の場合は最大2500mm、最小で1700mmまで製造可能で、価格は標準サイズに応じて約25〜70%高くなる。納期は即納ではなく5日だ。

 一方、今回発表したリフォムスは標準製品として2035mmの他、1900mmと1800mmを加えた。リフォームで要望が多いサイズの製品を標準製品に加え、即納体制も整える。特注品の場合、最大サイズは2090mm、最小はベリティスと同じく1700mmまでで、納期も5日だ。

 リフォムスとベリティスとの最大の違いが価格だ。リフォムスでは特注品、異なるサイズの製品でも全て同一価格で販売するという。サイズが違った、交換するといった場合でも、工務店側は顧客に対して再度見積金額を提示する必要がなくなる。


即納品を増やし、さらに同一価格にすることで施工現場のニーズに応える狙いがあるという(クリックで拡大)出典:パナソニック

 リフォムスの価格は開き戸タイプの内装ドアで税別6万8000円から(工事費別)。2016年度のリフォムスの売上高は約16億円を見込んでいるという。

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