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市場変化に「自動化と開発力」で挑む、変革を進めるパナソニック内装事業モノづくり最前線レポート(2/5 ページ)

パナソニックは2016年2月25日に会見を開き、内装建材事業の今後の事業方針について説明した。同社は今後需要の増大が見込まれる中古住宅向けなどのリフォーム用建材事業を拡大に向け、製品ラインアップの拡充と3年間で約30億円の設備投資を行い、2018年度までに2015年度比2割増となる売上高1000億円を目指す。

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リフォーム市場特有のニーズに、開発と生産の両面で対応

 倉本氏によれば新築とリフォームでは、現場の工務店などから求められる製品のニーズが大きく異なるという。特に異なるのが製品の納期で「住宅などのリフォーム案件では、全体の約5割が2週間以内の工期で行われている。そこでわれわれとしてもこうした短工期のニーズに合わせ、工務店などから発注されたリフォーム建材を素早く納品できる体制作りが必須になる」(同氏)という。

 リフォームは既に建てられた住宅に合わせて、最適な内装建材を使用していく必要がある。住宅によっては、標準のリフォーム建材とは異なる大きさの特注品を求められる場合も多い。つまり生産側は標準品だけでなく特注品も含めた生産に柔軟に対応し、なおかつ先述した理由から特注品であっても、短納期を実現するスピードも求められる。

 また、そして実際のリフォームを行う施工現場では、大工就業者の減少を受けて人材不足も深刻化しており、施工しやすい製品のニーズも高まっているという。そこで同社ではリフォーム建材事業の拡大に向け、生産と製品開発の両面から事業強化を図っていく方針だ。


リフォーム市場の特性(クリックで拡大)出典:パナソニック

戦略商品「リフォムス」を市場投入

 まず製品面では、リフォーム建材事業の強化に向けた戦略商品「リフォムス」を2016年4月15日から発売する。同製品は内装ドアや、開き扉などをはじめとするリフォームに特化したインテリア建材で、マンションや戸建住宅などの小規模な部分リフォームに向けて開発した製品だ。


「リフォムス」の内装ドア(クリックで拡大)

 リフォーム向けの戦略商品として、複数の特徴を持つ。1つ目が木目の色合いなどの外観デザインだ。リフォームの場合、建ててから10〜20年ほど経過している住宅で行うことが多い。そこへ部分リフォームとして新しい内装ドアなどを取り付けた場合、ユーザーから色合いが室内環境になじまなかったといった不満が寄せられることも多いという。そこでリフォムスでは10〜20年経過した内装建材を意識した木目と色合いにし、部分リフォームで使いやすい製品を目指したという。カラーは4種類用意している。

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