市場変化に「自動化と開発力」で挑む、変革を進めるパナソニック内装事業:モノづくり最前線レポート(1/5 ページ)
パナソニックは2016年2月25日に会見を開き、内装建材事業の今後の事業方針について説明した。同社は今後需要の増大が見込まれる中古住宅向けなどのリフォーム用建材事業を拡大に向け、製品ラインアップの拡充と3年間で約30億円の設備投資を行い、2018年度までに2015年度比2割増となる売上高1000億円を目指す。
パナソニックは2016年2月25日に会見を開き、内装建材事業の事業方針について説明した。内装建材事業はパナソニック エコソリューションズのハウジングシステム事業部の1つという位置付けで、連結子会社であるパナソニック エコソリューションズ 内装建材(大阪府門真市)が担っている。
同社は今後需要増大が見込まれる中古住宅向けなどのリフォーム用建材製品の販売拡大に向け、製品ラインアップの拡充と3年間で約30億円の設備投資を行う。これにより2018年度までに2015年度比2割増となる売上高1000億円を目指す方針だ。
減少する新築、増えるリフォーム
パナソニック エコソリューションズ 内装建材は、内装ドアやクロゼット扉などの建具事業、フローリングなどの床材事業、玄関・リビング収納といった収納事業など、建築物の内装に関連するさまざまな建材事業を手掛けている。国内の内装建材市場におけるシェアでは、内装ドアで国内シェア1位、床材でシェア4位、中高級品では3位の実績を持つという。四国地方から関東まで、全国7カ所に生産拠点を置いている。
同社の調査によれば、こうした建材などの市場全体規模は2015〜2025年度の間に約40兆円前後で推移していく見込みだ。しかしパナソニック エコソリューションズ ハウジングシステム事業部 内装ビジネスユニット ビジネスユニット長の倉本知典氏は「市場全体は拡大傾向にあるが、その構造は変化する」と述べる。
その具体的な変化とは具体的には少子化などの影響により、今後、住宅新築市場が縮小していく点だ。一方、この減少分を補うかたちで中古住宅などのリフォーム市場、非住宅向け市場が拡大していく。さらに政府は2010年6月に閣議決定した新成長戦略で、2020年までにリフォーム市場を12兆円、中古住宅流通市場を8兆円と、どちらも2010年比の2倍に拡大する方針を発表。現在、国土交通省などを中心に具体的な施策の検討が進んでおり、国策もこうした市場構造の変化を後押ししている。
このような市場変化が進む中で、現在のパナソニック エコソリューションズ 内装建材の現在の売上高は、その7割を市場が縮小傾向にある新築住宅向けの製品が占めている。そこで同社では2016年度からの3年間で事業構造の変革を進め、需要増が見込めるリフォーム用建材の拡販を進めていく。2018年度に目指す内装建材の売上高1000億円のうち、約400億円をリフォーム用建材の売上高が占める計画だ。
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