APICSを活用する――世界有数の企業も認める“洋魂和才”のSCM基盤:生産管理の世界共通言語「APICS」とは(5)(3/6 ページ)
サプライチェーンマネジメント(以下SCM)の体系的な知識を提供するAPICSを専門家が解説していく本連載。5回目は「APICSを活用する」価値と効果について解説する。
APICSの提供教育体系
APICSでは、認定資格の取得や、関連する業務・ベストプラクティスに関する知識向上を目的とする各種教育コースを提供している。表2に主なAPICSの教育コースを紹介する。
表2 APICS提供主要教育コース(クリックで拡大)
出典:日本生産性本部(APICS Premier Channel Partner)、日本ビジネスクリエイト(APICS Channel Partner)
いずれの教育コースも、個人向け価格としては必ずしも安価とはいえない。この点、CPIM、CSCPについては、コース受講は任意で、APICS公式サイトからEXAM CONTENT MANUALを入手し、入手可能な参考資料の読み込み、問題の演習を通じ、資格取得を目指すことも可能である。実際、筆者自身のCPIM取得は主に独習によるものだった。こうしたスタイルでの独習は、周辺業務・手法の理解、背景・成り立ちの理解には非常に効果的だったと感じている。
しかし、CPIM、CSCP認定取得を第一目的とする場合、APICS提供教育コースの受講が最も効率的だと感じる。実際に筆者はCPIM独習を通じて、最終的にダンボール1箱に収まり切らないほどの参考資料(洋書・和書)を購入し読み込んだ。しかし、出題内容に直結しないコンテンツも多く、学習開始から全5科目合格まで、2年半を必要とした。
一方でCSCPの学習では教育コースのオンラインコースを活用した。その結果、学習開始から約半年程度で認定を取得することができた。筆者が講師を担当したCPIM BSCM Exam Preparationクラスの受講者の例でも、受講後2カ月でBSCMに合格できた例も伺っている。スピードや効率が求められる今日、APICS提供教育コースの活用は、費用負担が許すのであればリーズナブルな選択といえるだろう。
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