TechShop Tokyoは“機材が使える場所”じゃない:六本木でモノづくり
テックショップジャパンは2016年2月18日、会員制オープンアクセス型DIY工房「TechShop」のアジア第1号店となる「TechShop Tokyo」(東京都港区 アーク森ビル)のプレオープンに伴い、オープニングセレモニーを開催。関係者が意気込みを語った。
テックショップジャパンは2016年2月18日、会員制オープンアクセス型DIY工房「TechShop」のアジア第1号店となる「TechShop Tokyo」(東京都港区 アーク森ビル)のプレオープンに伴いオープニングセレモニーを開催。関係者が意気込みを語った。
2006年に米国で創業したTechShopは、レーザーカッターや3Dプリンタをはじめ、さまざまなツールを備える会員制のDIY工房。米国で生まれたメイカームーブメントをけん引した存在だ。現在、北米の他、パリ、アブダビなど全世界で約9カ所に展開している。アジア初の店舗となるTechShop Tokyoの開設については、富士通とTechShopが提携。富士通の100%出資子会社であるテックショップジャパンが運営を担う。
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テックショップジャパンの代表取締役社長を務める有坂庄一氏は、「TechShopは企業、ベンチャー、クリエイター、学生、個人など、さまざまな人が集まってコミュニティを形成し、アイデアを形にしていく場。既に海外のTechShopからは100個以上の新しいビジネスが生まれている」と述べる。
TechShop Tokyoの利用例としては「新規事業のプロトタイピングを共創型で行う、企業研修の場として利用する、個人が世の中にないオンリーワンのモノ作る場として使うなど、さまざまなかたちを想定している。われわれとしてはTechShop Tokyoを通じてモノづくりの裾野を広げると同時に、アイデアがあったらそれを形にする――ということを普通にしていきたいと考えている。モノを作るというのは人の本能的な喜びだし、そこから大きく世の中が変わるモノが生まれる可能性もある。そういった場にしてきたいと考えている」(有坂氏)としている。
来日した米国TechShopの共同創設者でありCEOを務めるマーク・ハッチ氏は「TechShopにはアイデアを形にするためのさまざまなツールがそろっており、その使い方を教える場所でもある。しかし単に“ツールが置いてある場所”ではない。最新鋭の機器がそろっているだけでなく、そこに集まる会員たちでコミュニティを形成できる場であるということが最も重要なポイント。米国のTechShopでは政府機関、企業、大学、市民など、さまざまな立場にいる人たちを巻き込み、アイデアを具体化するプラットフォームとして稼働している」と述べる。米国のTechShopではDARPA(国防総省国防高等研究事業局)やフォードなどと提携しているという。
TechShop Tokyoは2016年2月18日からプレオープンし、グランドオープンは同年4月1日から。プレオープン期間は入会手数料3000円などが無料になる。利用料金は個人会員の場合、1日利用で4500円、月額利用で1万8500円から。法人会員の場合は最低契約人数が5人、年間基本利用料は110万円からとなっている。
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