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立ち入り規制続く大涌谷にロボット投入、神奈川県が映像公開
神奈川県は現在も噴火による警戒地区に指定されている大涌谷(箱根山)に、火山活動ロボットを投入。その映像を公開した。
神奈川県は現在も警戒地区に指定されている大涌谷(箱根山)に火山活動ロボットを投入、映像を公開した。箱根山は噴火警戒レベルが2015年11月にレベル1に引き下げられたものの、大涌谷周辺では現在も高濃度火山ガスが検出されているために立ち入りが規制されており、ロボットの活用が期待されている。
神奈川県の公開した映像
このロボット投入は神奈川県が2015年9月に行った「火山活動対応ドローン」「火山活動対応地上走行車」「火山活動対応地すべり警報システム」の3つに対してのロボット開発プロジェクト募集にもとづくもの。
投入された火山活動対応ドローンは日本サーキット、アート1、オキノ工業によるものでカメラと赤外線サーモグラフィーを搭載。2016年2月10日に大涌谷を飛行、噴気孔付近での火山ガス濃度センサー設置候補地調査や地滑り警報システムの設置候補地調査を行った。
火山活動対応地上走行車は移動ロボット研究所と理研計器によるもので、独立して設置されている4つのクローラーによって大涌谷の不整地面を走破、搭載するアームでガス濃度センサーを設置する。現場では無線操縦によって操作地点から約140メートル離れた地点まで走行、火山ガス濃度センサーを設置した。
火山活動対応地すべり警報システムは菊池製作所、イ・エム・テクノ、自律制御システム研究所によるもので、ドローンで地滑りセンサーを空輸して設置する。設置は2016年2月下旬を予定する。
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