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「ないと困るなら、復活させればいい」――本当に役に立つCAEの導入方法とは:CAE事例(4/4 ページ)
CAEの導入効果は意識して示さなければ外部から見えにくい面もある。またともすればツールの導入ばかりに力が入ってしまい、効果の検証が後回しになってしまうこともある。その問題を解決しようと、いったんCAEの専門組織を凍結してしまうという荒療治を行ったのがオムロンだ。
CAEでできること、できないこと
CAEにはできることとできないことがある。そのため「CAEに機械工学の論理がどこまで組み込まれているかを理解して使うことが重要」だと岡田氏はいう。一般の設計者はそこまでは把握していないため、その部分についてはCAEの専門家がアドバイスをすることになる。「CAE担当者は単にCAEを使えるだけではなく、そのCAEソフトは機械工学におけるどの分野のどこまでを計算しているのかを説明できなければならない。そのため土台に機械工学が必要となってくる」(岡田氏)。
CAEを活用することで目指すのは、いかに上流でフロントローディングでものを作れるかということだ。「より早くより安価に、よいものを作るのが永遠のテーマ」(岡田氏)。そのためには今まで以上にシミュレーションの精度を高めていくことが必要になると岡田氏はいう。
製品づくりについては現在は必ず1回は試作を行っているが、いずれは比較的単純な製品から、試作レスが実現していくだろうという。「究極的には強度計算をコンピュータ上で実施してすぐ目の前に3Dプリンタで製品が出力されるのが理想かもしれません」(岡田氏)。オムロンは常に現状を見直し、必要であれば柔軟に組織変更を加えてきた。その機動力はモノづくり力を高めるための参考になりそうだ。
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