ETロボコンに「ゲーム」登場“カラーセンス”も必要に
組込みシステム技術協会がロボット競技会「ETロボコン2016」の開催概要を発表した。新走行体EV3のカラーセンサーを用いた「ゲーム」が新たに設定され、「走るだけではない大会」として参加者を待ち受ける。
組込みシステム技術協会(JASA)は2016年2月15日、LEGO「MINDSTORMS」を使ったロボット競技会「ETソフトウェアデザインロボットコンテスト2016」(ETロボコン2016)の開催概要を発表した。前回は「新幹線」が大きな壁となって参加者の前に立ちふさがったが、今回は加えて「カラーセンス」が問われる大会になる(関連記事:コースレイアウト全面変更、新難所では「新幹線」が走る〜ETロボコン2015チャンピオンシップ大会〜)。
ETロボコンは参加クラスごとに共通のハードウェア(走行体と呼ぶ)を用い、参加者は分析・設計のモデリングとロボット制御を競う、ソフトウェア開発重視のロボットコンテストだ。2002年のUMLロボコンに端を発しており、2015年大会では346チーム/2000人の参加者を集めるまでの大会に成長している。
今回のETロボコン2016は、前回と同様に走行競技とモデル設計を審査対象とする「ディベロッパー部門」(プライマリークラス/アドバンストクラス)と、企画も審査対象にする「イノベーター部門」の2部門3クラスで競技が行われる。
プライマリークラスについては参加者について「モデリング未経験者および初心者」かつ「ETロボコン過去参加3回未満」という規定が加えられ、初心者向けの方向性がより明確に打ち出された。イノベーター部門についてはテーマ決めに時間がかかるとのリクエストが多く寄せられたことから、前年通りのテーマ自由での参加に加え、主催者によって設定されたテーマ「10年後にあると便利な新しいシステム」での参加もOKとなっている。
走行体は「MINDSTORMS NXT」の販売終了に伴い「MINDSTORMS EV3」に一本化されるが、プライマリークラスは「EV3Way-ET」、アドバンストクラスはアームとカラーセンサーを持った「HackEV」となる(イノベーター部門は走行体についての規定なし)。開発/動作環境はTOPPERSやLinux、C/C++、mrubyなど複数から選択可能となっており、開発や実装についても戦略が求められる。前回、公式サポート言語に含まれていなかったmrubyとPythonの公式サポート化は1つのトピックといえる。
プライマリークラスはライントレースと「難所」の攻略が軸になるのは前回同様だが、アドバンストクラスではライントレースによるスピード競技に加えて、HackEVに搭載されているカラーセンサーとアームを用いた2つの「ゲーム」が新設される。
ゲームは色のついたブロックを同じ色の輪の場所へ移動させる「ブロック並べ」と、違う色のトロフィーを輪の外へ出す「ET相撲Neo」の2つで、対象物と輪の色を識別し、素早く行動することが高得点の鍵となる。
アドバンストクラスについてはゲームの新設に伴い、採点方法も変更される。ラインコントロールによる走行制御とセンサーを用いたゲームの達成、この2点の両立によって高得点となるよう、重み付けが行われる予定だ。
ETロボコン2016は2016年3月1日〜4月7日の間で参加を受け付け、参加者は全国12のブロックに分かれて地区予選を行い、同年11月16日にパシフィコ横浜で行われる決勝大会「チャンピオンシップ大会」へ挑む。参加者に向けた走行体キットもアフレルより販売される。応募期間が年度末を挟むため、利用は学生のみのとなるが仮登録制度も用意されており、この制度を利用すれば同年4月28日までキャンセル可能だ。
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