製薬企業向けの透明性ガイドライン対応システムを導入:製造IT導入事例
田辺三菱製薬は、NTTデータ イントラマートのシステム共通基盤「intra-mart」を活用した、JSOLの「医療関係者支払集約システム」を導入した。2015年4月に本番稼働を開始している。
JSOLは2016年1月26日、「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」(以下、透明性ガイドライン)対応のため、田辺三菱製薬が同社の「医療関係者支払集約システム」を導入したと発表した。NTTデータ イントラマートのシステム共通基盤「intra-mart」を活用したもので、2015年4月に本番稼働した。
製薬企業では、2011年1月に策定された透明性ガイドラインにより、医療機関・医療従事者との間で発生する、寄付金などの金銭の流れを適切に開示することが求められている。従来、その対応は各企業の自主規制に委ねられ、同ガイドライン対応に特化したシステムのパッケージソリューションは提供されていなかった。
これまで田辺三菱製薬は、同ガイドラインに対応するため、既存の会計システムから総務部門を中心に開示データを作成し、関連部門とのデータチェックに時間を要していたという。システム導入に際しJSOLでは、intra-martを採用することで、既存システム資産を有効活用しながら、適切な場面でIT統制をかけ、システム導入による現場部門の混乱と業務負荷を軽減した
。
また、JSOLは、intra-martに「同意書管理機能」「透明性ガイドライン対応(公開情報を作成)機能」をテンプレート化し、既に開発済みの「経費精算テンプレート」と合わせて「製薬企業向け 経費精算テンプレート」をリリースした。今後、「外部支払管理ソリューション」として、製薬企業への展開を図るとしている。
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