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第48回 機器内部シリアル接続規格前田真一の最新実装技術あれこれ塾(4/6 ページ)

実装分野の最新技術を分かりやすく紹介する前田真一氏の連載「最新実装技術あれこれ塾」。第48回は機器内部シリアル接続規格について解説する。

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4.CalDriCon

 CalDriConは2010年にV-by-Oneを開発したザインエレクトロニクス社が開発した、液晶ドライバへのシリアル転送方式です。

 ドライバ回路は一般のLVDS回路ではなくCMLと呼ばれる回路を使っています(図12)。


図12:CML回路

 CalDriConの特徴は、埋め込みクロックを使っていないことです。クロックとデータを別のラインで送っています(図13)。


図13:DataとClockは別配線

 起動時にドライバからレシーバへクロックとデータを送り、それに対する回答をレシーバが応答します。ドライバはクロックとデータのタイミングを少しずつズラして行き、レシーバの反応から最適なデータとクロックの位相差を判断しします(図14)。


図14:タイミングの自動調整

 このようなクロックとデータのタイミング(位相)調整は、並列バスであるDDR3/DDR4のフライバイと呼ばれる機能でも使っています(図15)。


図15:DDRメモリのフライバイ機能

 また、起動時のドライバとレシーバの応答の時に、損失の影響を打ち消すようにドライバの出力波形を変化させるプリエンファシスを最適にする機能を備えています(図16)。


図16:損失を補うフィルタ

 これは、PCI Express Gen3をはじめ、最近の高速シリアル転送技術でも使われている技術です。1チャンネル当たりのデータ転送速度は2Gbpsです。

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