第48回 機器内部シリアル接続規格:前田真一の最新実装技術あれこれ塾(5/6 ページ)
実装分野の最新技術を分かりやすく紹介する前田真一氏の連載「最新実装技術あれこれ塾」。第48回は機器内部シリアル接続規格について解説する。
5.iDP(internal DisplayPort)
iDPはVESA(Video Electronics Stndard Association)が制定した液晶テレビ用のビデオ信号伝送規格です。
基本的には同じ規格をDisplayPortはPCの外部モニター接続、eDPはノートPCの搭載モニター接続、iDPはTVの内部接続とおのおのの接続に最適化して規格化をしています。
2010年にiDP 1.0を発表し、最新バージョンは2011年に発表したiDP 1.0aです。PCのディスプレイと異なり、家庭用デジタルテレビでは大画面化とそれに伴う4Kなどの高解像度化、2010年当時には大きな期待をかけられていた3D表示などへの対応が要求されていました。
また、内部接続用なので、DisplayPortにある、コネクタやピン数の制約がありません。このため、eDPでは5.4Gbpsであったレーン当たりの伝送速度を、iDPでは3.24 Gbpsに下げ、その代わりレーン数を4レーンから16レーンに増やしました。
eDPは同じPC用規格なので、互換性を重視し、iDPは異なる機器なので、機器への最適化を重視した規格になっています。表1にDisplay Port、eDP、iDPの違いを示します。
6.Cool Pepper
セレブレクスが2013年に発表した技術で、液晶パネル用ソース・ドライバ・インタフェース用の伝送技術です(図17)。
埋め込みクロックを使い、モバイル液晶向けに低消費電力を図っています。損失による波形ゆがみを訂正するエンファシス回路により、消費電力の低減と高速化を図り、伝送速度はチャネル当たり最大2Gbpsとなっています。ビジネスモデルとしては、ザインエレクトロニクスと同様に、関係する技術のライセンスやICを販売するビジネスモデルを展開しています。
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