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「実験ドリブンCAE」とは? ――効果的なCAE実践のポイントは解析と実験のバランスCAEイベントリポート(4/4 ページ)

実験とコンピュータシミュレーションによる解析コンサルティングを提供するエステックが、振動・騒音分野を中心とするCAE事例を紹介した。

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コリレーション済みFEMモデルを提供

 古本氏は自動車のサスペンションのFEMモデルのコリレーション例についても紹介した。サスペンションの振動特性は、路面入力に対する騒音・振動だけでなく、乗り心地や操安性能にも大きく影響する。そこで同社はコリレーション済みのFEMモデルを提供しているという。そのために実験モーダル解析、形状計測とFEMモデルの作成、そして実験とのコリレーションを実施している。古本氏は例として、フォルクスワーゲンのゴルフのリアサスペンションを紹介した。

 下図のように実験結果に基づきFEMモデルのコリレーションを行うことで、ほぼ一致していることが分かる。


サスペンションの実験結果と解析モデルにおける周波数応答関数の比較(出典:エステック)

 下図のモード図でも実験結果をほぼ再現していることを示した。


サスペンションの実験結果と解析モデルにおける振動モードの比較(出典:エステック)

正確なデータがCAE実践には不可欠

 エステックでは「CAEの実践には解析と実験をバランスさせていくことが非常に重要である」というスタンスで取り組んでいると古本氏は改めて述べた。とくに同社では実験部を主体にとにかく正しいデータを取得するのにこだわっているという。その実験データから現象、メカニズムの仮説を立て、それに基づいてモデル化し、それを実験で検証というサイクルを回しながら、精度の高いモデルを作っている。効果的なCAEを実験するためには「精度の良い実験データを計測するのが非常に重要」だと古本氏は強調した。

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