LEDヘッドランプの高度な制御技術の開発を支援、オン・セミコンダクター:オートモーティブワールド2016
オン・セミコンダクターは、「オートモーティブワールド2016」において、対向車の位置に合わせてLEDヘッドランプを部分的に消灯する「スマートヘッドライトソリューション」を出展した。複数のLED素子を個別に点灯/消灯させる「LEDピクセルコントローラー」は2016年内にも量産を開始する。
オン・セミコンダクターは、「オートモーティブワールド2016」(2016年1月13〜15日、東京ビッグサイト)内の「第8回国際カーエレクトロニクス技術展」において、対向車の位置に合わせてLEDヘッドランプを部分的に消灯する「スマートヘッドライトソリューション」を出展した。複数のLED素子を個別に点灯/消灯させる「LEDピクセルコントローラー」は2016年内にも量産を開始する。
夜間の運転には視認性を向上するハイビームが不可欠だ。しかし、対向車のドライバーがハイビームのまぶしさで幻惑されてしまうため、対向車の通行に合わせてロービームに切り替える必要がある。
今回出展したスマートヘッドライトソリューションでは、12個のLED素子を使用し、CMOSセンサーで検知した対向車のヘッドランプを模擬したライトの位置に合わせて消灯範囲を制御する様子をデモンストレーションを通して紹介した。
スマートヘッドライトソリューションは、LED素子の点灯/消灯を個別に制御するLEDピクセルコントローラーと、個々のLED素子の点灯/消灯によって電圧が変動する中でもLED素子を均一に発光させる高出力LEDドライバICで構成している。これらに加えて、対向車のヘッドランプを検知するHDR CMOSイメージセンサーも同社から提供可能だ。
対向車の位置に合わせてLEDヘッドランプを制御する技術は、量産車にも搭載され始めている。同社のソリューションの強みは、LEDの素子の数や配列に合わせて柔軟に設計を変更できる点だ。「LEDヘッドランプで照らす範囲を、4つくらいに大まかに区切るシステムもあれば、対象の形に合わせて消灯するような細かい制御もあるかもしれない。どちらでも開発しやすくすることに重点を置いている」(オン・セミコンダクターの説明員)という。LEDの配列の増減に対応しやすくした高出力LEDドライバICの次世代製品も間もなくリリースする予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 自動運転時代に向け車載CMOSセンサーの画素数が2倍に、LEDフリッカーも抑制
オン・セミコンダクターは、次世代の先進運転支援システム(ADAS)向けとなるCMOSイメージセンサーの新製品「AR0231AT」を発表。画素数が230万と従来品の2倍になるとともに、高度なハイダイナミックレンジ(HDR)機能と、LEDを使う信号機や交通標識の撮像を難しくするLEDフリッカーの抑制機能も備える。 - イメージセンサー企業の買収を続けるオンセミ、車載/産業市場向けに注力
ON Semiconductor(オンセミ)が、CMOSイメージセンサー大手のAptina Imaging(アプティナ)を買収する。買収金額は約4億米ドル(約407億円)となる見通し。2014年4月のTruesense Imaging(トゥルーセンス)、2011年2月のCypress SemiconductorのCMOSイメージセンサー部門に続き、イメージセンサーの買収案件では3件目となる。 - フロントライトの駆動に最適、オン・セミコンダクターのデュアルLEDドライバIC
オン・セミコンダクターは、「人とくるまのテクノロジー展2013」において、自動車のLEDヘッドランプや昼間点灯ランプ(DRL)、フォグランプ、ウィンカーなどを統合したフロントライトモジュールの駆動に最適なデュアルLEDドライバICを展示した。 - 「強みを合わせてより強く」、オンセミがソリューション提案を強化
オン・セミコンダクターは、オートモーティブなど強化分野の売り上げ拡大を目指し、「ジャパン・ソリューション・エンジニアリング・センター」の活動を本格的にスタートさせた。