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自動運転時代に向け車載CMOSセンサーの画素数が2倍に、LEDフリッカーも抑制車載半導体(1/2 ページ)

オン・セミコンダクターは、次世代の先進運転支援システム(ADAS)向けとなるCMOSイメージセンサーの新製品「AR0231AT」を発表。画素数が230万と従来品の2倍になるとともに、高度なハイダイナミックレンジ(HDR)機能と、LEDを使う信号機や交通標識の撮像を難しくするLEDフリッカーの抑制機能も備える。

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 On Semiconductor(オン・セミコンダクター)は2015年10月21日、次世代の先進運転支援システム(ADAS)向けとなるCMOSイメージセンサーの新製品「AR0231AT」を発表した。画素数が230万と従来品の2倍になるとともに、高度なハイダイナミックレンジ(HDR)機能と、信号機や交通標識に用いられているLEDの駆動周波数との関係から良好な撮像ができなくなるLEDフリッカー抑制(LFM)機能も備える。既にサンプル出荷を開始しており、2016年から量産を始める予定だ。

 AR0231ATは高画素化と高機能化に加えて、自動車向け機能安全規格ISO 26262の安全要求レベル(ASIL)に準拠するための機能を備えているという。準拠可能なASILのレベルはASIL Bである。

 オン・セミコンダクターは、2014年6月にイメージセンサー大手のAptina Imaging(アプティナ)を買収するなどして、車載イメージセンサー市場で優位なポジションを築いている。東京都内で開催した説明会に登壇した、オン・セミコンダクターのイメージセンサー・グループでオートモーティブ担当プラダクトライン・マネージャーを務めるNarayan Purohit(ナライヤン・ピュロヒット)氏は、「車載CMOSセンサーは2014〜2018年の期間で年平均28%の成長が見込まれている。その有望な市場で当社は46%ものシェアを獲得している」と語る。

オン・セミコンダクターのナライヤン・ピュロヒット氏車載CMOSセンサー市場の状況 オン・セミコンダクターのナライヤン・ピュロヒット氏(左)と車載CMOSセンサー市場の状況(クリックで拡大) 出典:オン・セミコンダクター

 車載CMOSセンサー市場が拡大しているのは、サラウンドビューや自動ブレーキといったADASのセンサーとして車載カメラの搭載個数が増えているからだ。現在、高級車であれば1台当たり車載カメラが6個程度搭載されている。しかし今後は、車両の外側の状況を検知するだけでなく、ドライバーのモニタリングなど車室内の乗員の状態を検知する用途にも車載カメラが利用されるようになるため、1台当たりの搭載数が10個以上に増えるという。

車両1台に搭載される車載カメラの数
車両1台に搭載される車載カメラの数(クリックで拡大) 出典:オン・セミコンダクター

自動化レベル3に有用

 現行の市販車が搭載するADASの車載カメラには100万画素クラスの車載カメラが利用されている。オン・セミコンダクターも、120万画素の「AR0132AT」や、2015年7月に発表した裏面照射型で120万画素の「AR0136AT」などを投入している。

 しかし、自動車メーカーや新規参入のIT企業による自動運転技術の開発は加速しており、車載カメラにもさらに高い機能が求められている。そういった需要に応えるために開発したのがAR0231ATだ。

 ピュロヒット氏は、「自動運転技術で定義される自動化レベルを高めていくには、より高機能なADASを実現していくことは必須だ。2015年時点のADASは自動化レベルで1に相当し、そういった用途に当社のCMOSセンサーは広く利用されている。そして、2017〜2018年の自動化レベル2、2019〜2020年の自動化レベル3に対応するADASを自動車メーカーやティア1サプライヤに実用化してもらう上で、AR0231ATは極めて有用だ」と強調する。

ADASの機能とトレンド
ADASの機能とトレンド。AR0231ATは自動化レベル2や3に対応するADAS向けの製品になる(クリックで拡大) 出典:オン・セミコンダクター
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