NVIDIAの「TK1」上でADASのIPを動作、QNXは自動運転システム対応も視野に:オートモーティブワールド2016
QNXソフトウェアシステムズは、「オートモーティブワールド2016」において、同社のリアルタイムOS「QNX OS for Safety」とNVIDIAの組み込み開発キット「TK1」上で、先進運転支援システム(ADAS)のIPを動作させるデモンストレーションを披露した。
QNXソフトウェアシステムズは、「オートモーティブワールド2016」(2016年1月13〜15日、東京ビッグサイト)内の「第4回コネクティッド・カーEXPO」において、同社のリアルタイムOS「QNX OS for Safety」とNVIDIAの組み込み開発キット「TK1」上で、先進運転支援システム(ADAS)のIPを動作させるデモンストレーションを披露した。
披露したデモは3種類ある。1つ目は、距離情報を伴った物体検出とトラッキングの機能を持つAdasWorksのビジョンアルゴリズムである。デモでは、物体検出やトラッキングのアルゴリズムの精度を機械学習によって向上できることも示した。
2つ目はItseezの白線検知アルゴリズム、3つ目はLuxoftのAR(拡張現実)ナビゲーション機能である。
同社は「2016 International CES」において、ADASや自動運転システム向けとなる「QNX Platform for ADAS」を発表している。「CESから間もないこともあって、今回はQNX Platform for ADASのデモなどは展示できなかったが、現時点で手に入るNVIDIAの開発キットとQNX OS for SafetyでもADASの機能を実現できることを示せたと思う」(QNXソフトウェアシステムズの説明員)と述べている。
なおQNX Platform for ADASは、2016年第2四半期に提供を始める予定だ。
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