鈴鹿サーキットの新EVアトラクション、磁石レスのSRモーターで走行:オートモーティブワールド2016
ミツバは、「オートモーティブワールド2016」において、鈴鹿サーキットが2016年3月に導入するアトラクション「Circuit Challenger(サーキットチャンレジャー)」の電気自動車(EV)ゴーカートを展示した。
ミツバは、「オートモーティブワールド2016」(2016年1月13〜15日、東京ビッグサイト)内の「第7回EV・HEV駆動システム技術展」において、鈴鹿サーキットが2016年3月に導入するアトラクション「Circuit Challenger(サーキットチャンレジャー)」の電気自動車(EV)ゴーカートを展示した。
サーキットチャンレジャーは、F1レースの日本GPが開催される鈴鹿サーキットの国際レーシングコース(東コース)をEVゴーカートで走行できるアトラクションだ。プロジェクトアドバイザーにはレーシングドライバーの佐藤琢磨氏が就任。「小さな子どもから大人まで誰もが気軽に、かつ本物志向で楽しめるように工夫をした」(佐藤氏)という。
このEVゴーカートの走行モーターとして採用されたのが、ミツバが開発した、磁石を用いないスイッチトリラクタンス(SR)モーターである。最高出力4.3kWのSRモーターでEVゴーカートの後輪を駆動し、時速30kmの最高速度で走行できる。同社はSRモーターのコントローラも併せて納入しており、「F1レースカーのように、パドルシフトによるシフトチェンジを体験できるよう、コントローラでSRモーターの出力やトルクを制御している。変速段数は4段で設定した」(ミツバの説明員)という。
EVゴーカートの外形寸法は全長2500×全幅1000×全高1300mm。乗車定員は大人2人+子ども1人。二次電池には東芝のリチウムイオン電池「SCiB」を採用している。車両設計は東京アールアンドデーが担当した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 新構造で磁石レスモーターの課題を克服、トルク性能が永久磁石モーターと同等に
レアアースの高騰によって注目されている永久磁石を使わないモーターの1つに、スイッチトリラクタンス(SR)モーターがある。東北大学は、アキシャルギャップ構造の採用によって、SRモーターの課題だったトルク性能を永久磁石モーターと同等レベルまで引き上げた。 - 東芝がジスプロシウム不使用のモーター用磁石を開発、2012年度末に市場投入
東芝は、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)、鉄道、産業用機器などに使用される大出力モーター向けに、ジスプロシウムを全く使用しない「高鉄濃度サマリウム・コバルト磁石」を開発した。2012年度末の市場投入を目指す。 - 安川電機のEV用モーターはフェライトで脱レアアース、2012年11月にサンプル出荷
安川電機は、レアアースが不要なEV用モーターとして、永久磁石の替わりにフェライト磁石を用いるモーターを開発中だ。2012年11月にはサンプルを出荷できる見込み。 - レアアース不要のEV用モーター、日本電産が2013年にも量産へ
日本電産は、2010年10月に買収したEmerson Electricの技術をベースに、電気自動車(EV)用のSRモーターを開発した。SRモーターは、永久磁石が不要なため、レアアースを使わずに実現できるモーターの有力候補として注目されている。